19歳でNBA入りし今季で6年目のシーズンを迎えるヤニス・アデトクンボ。
17歳でギリシャの2部リーグでプロデビューし、その素質を見込まれて2013年のNBAドラフトでミルウォーキー・バックスに1巡目15位で指名されるが、1年目は平均6.8得点に終わり、当初はNBAでよくある「将来性だけで指名されたものの期待外れに終わった選手」のうちの1人だと思われていた。
しかし2年目以降、得点、リバウンド、アシスト、スティール、ブロックの主要スタッツを伸ばし続け、2016-17年シーズンにはこの5部門でチームリーダーになるというNBA史上5人目の快挙を成し遂げる。そして今季はオールスターブレーク時点で27.2得点、12.7リバウンド、6.0アシストという怪物級のスタッツを挙げ、所属するバックスはリーグ全体で1位(43勝14敗)、そして自身もオールスター投票で東地区の選手として最高得票数を獲得し、3年連続となるスタメン出場を決めた。
そんな経緯があるだけに彼のNBAカードは一昨年あたりから評価が急変。高級版以上のルーキーカードは$100以上の値をつけるようになった。ルーキー時代の彼を見て「大した選手じゃない」と見切りをつけていたコレクター達はさぞかし慌てたに違いない。

2013-14 PANINI PRIZMのルーキーカード
ベケットプライスガイド:4ドル(2015年6月号)→ 120ドル(2019年3月号)

2013-14 PANINI SELECTのルーキーカードPRIZMS版
ベケットプライスガイド:7.5ドル(2015年6月号)→ 150ドル(2019年3月号)
今シーズンこのままの調子で行けばバックスはリーグ最高勝率でプレイオフに進むこととなる。そうすればMVPは彼が受賞することになるだろう。しかしこれが彼のゴールではない。まだ24歳のヤニス・アデトクンボの物語は今始まったばかりなのだ。
soma【ライター/イラストレーター】
長年カード関連の企画・出版物に記事を寄稿しているライターであると共に自身も90年代初頭から四半世紀に渡りカード収集を続けているカードコレクター