MLBの2019年シーズンもいよいよ、ポストシーズン進出へ向け、スパートがかかってきた。日本開幕シリーズでのイチローの引退発表で幕を開けた今季だが、日系選手が衝撃のデビューを飾ったシーズンでもあった。当然、彼らのカードも人気急上昇なのである。
ミルウォーキー・ブルワーズのケストン・ヒウラ内野手は2017年にブ軍からドラフト1巡目(全体9位)の指名を受け入団。今年5月14日のフィラデルフィア・フィリーズ戦に「7番・二塁手」でスタメン出場し、2安打のマルチヒットをマーク。その後、本塁打も記録した。カルフォルニア州出身で、父親が日系、母親が中国系の日系三世。ミドルネームは「ナツオ(夏男)」で8月生まれに由来している、という。ドラフト1巡目指名だったこともあり、早くからカードは作られていたが、今季の活躍で一気にカードも注目度がアップ。ベケットのHPのホットリストの常連になった。
フロリダ・マーリンズのジョーダン・ヤマモト投手はハワイ出身で、祖父が日本人の日系三世。2014年にミルウォーキー・ブルワーズからドラフト12巡目で指名され、入団。昨年、マーリンズへ移籍し、今年6月12日に昇格し、セントルイス・カージナルス戦で初登板初先発。7回を3安打無失点の快投で初勝利のデビューを飾った。TOPPSのオンデマンド・カード「Topps Now」では早速、デビュー戦の雄姿をカード化した。トレードの交換相手が同じ日系選手のクリスチャン・イエリッチ外野手だったこと、初登板で先発対決したのが元巨人のマイルズ・マイコラスだったこと、と因縁めいたものを感じる。
ヒウラと同じくカリフォルニア州出身のカイル・ヒガシオカ捕手はヤンキース所属。2008年にヤンキースにドラフト7巡目指名され、入団とプロ野球ではヒウラ、ヤマモトの先輩で、すでに2017年に初出場し、昨季はボストン・レッドソックス戦で剛腕デビッド・プライスからメジャー初安打となる初本塁打。ヤ軍では史上2人目、MLB全体でも9人目となる、初安打から3安打をすべて本塁打で記録。この3連発でカードも増産され、一躍、将来のスター候補になった。今季も田中将大投手とバッテリーも組んだが、日系四世で日本語は勉強中だそうだ。
ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手をはじめ、日本人メジャーリーガーのカードは日本のみならず、米国でも人気が高いが、日系選手のカードを収集することも楽しい。
cove【ライター】
国内外のベースボールカードやコレクションアイテムを収集し続けて30年。元スポーツ紙ライター。