エンタメカードを集めはじめて25年・・・先日とある依頼が舞い込んできた。そう、エンタメカードに関する連載コラムだ。エンターテイメントカード・・・それではエンタメカードの世界を紐解くとしよう。
「エンタメカードとは?」
ひと言でエンタメカードと言っても広げてみると映画、ドラマ、アイドル、アメコミ、アニメなどここでは挙げきれないほど数多くのジャンルが存在する。言ってしまえば、スポーツカード以外のコレクションカード全てがエンタメカードという様に言うこともできるのだ!
「エンタメカードの歴史」
簡単にエンタメカードの歴史を振り返ると海外での源流は、基本的にスポーツカードと同じく19世紀後半にたばこの保護や販売促進目的で封入されていたシガレットカードと言われている。その当時、スポーツ以外では女優・俳優、映画の名シーン、自動車、動物、風景などのカードがあったそうだ。また、トレカが世の中に登場して暫くは、同一シリーズ、例えばMARVELコミックスのトレカでもTopps、FLEER、SKYBOX、RittenHouse、Upper Deckなど複数のメーカーから発行されていた時期がある。近年発売されたMARVELブランドの映画カードは、権利や契約などにより作品ごとに販売メーカーが変更されたものもある。特にスパイダーマンやアイアンマンの人気映画シリーズは、初期はRittenHouseから発売されていたが、現在はUpperDeckに変更されているし、X-MENの映画シリーズも、ToppsからRittenHouseに販売元が変更されている。逆にStarWarsについては初期~現在まで一貫してToppsが独占して発売しているので、Toppsの海外市場におけるポジションを感じることもできる。
ファッション同様、カードのデザインにも時代やメーカーによって流行が存在するので、それぞれの特色を比較するのも面白くまた、歴史を感じられる要素となるだろう。
一方、日本でも同時期に輸入たばこの流れからたばこに封入されていたと言われているもので図柄としては芸者、花札、百人一首など、実に日本風である。また忘れていけないのが永谷園のお茶漬けに封入されていた「東海道五十三次」シリーズだ。これも日本独自のエンタメカードと言えそうだ。日本でのエンタメトレカブームの火付け役といえばポテトチップスでおなじみのカルビーの仮面ライダーカードが代表的である。カードではないが、ロッテから発売されたビックリマンチョコもコレクタブルシールとしては日本に根付いているアイテムである。その後、バンダイがカードダス(カード発売自販機)でアニメ関連のカードを発売して以降、パック入りのカードダスマスターズを発売し、アニメ、ゲームジャンルのカードを販売し続けている。近年の国産トレカの傾向としては、エンスカイやエポック社、さくら堂、HIT’Sなどがアイドルトレカを発売し、日本でのアイドルトレカブームに貢献した。そして、現在も様々なアイドルトレカが世に出ている。
「エンタメカードのジャンル」
海外と日本のエンタメカードの歴史について記したので、今度はジャンルや傾向について書いてみたい。まず海外からエンタメカードで多いのはアメコミ(MARVEL,DC,etc.)、有名人・アイドル、歴史や歴史上の人物、映画、TVドラマ、さらにはアメリカ大統領選挙もカードになるほど多岐にわたっている。また、エンタメカードを販売しているメーカーもTopps、Upper Deck、Leaf、RittenHouse、CRYPTZOIC、Fleer、SKYBOX、Inkworks、ComicImage、ARTBOX、etc.、非常に多いことがわかる。特にRittenHouse、CRYPTZOIC、Inkworks、ARTBOXについては、エンタメカードのみを販売しているという部分も注目したい。それに比べて日本ではアイドル、漫画、アニメ、ゲームがほとんどでどちらかと言えば低年齢層向けの商品が多く、販売されている種類もさほど多くないのが現状だ。販売メーカーについて、バンダイはカードダスマスターズのエヴァンゲリオンが大ヒット商品で日本のトレカブームを牽引した、エンスカイ(旧天田印刷)のAKB48トレカが爆発的なヒット作となった、エポック社はサッカーや野球トレカのイメージが強いがバラエティー番組などで活躍しているアイドルのカードも多く発売してきた。BBMもスポーツカードのイメージが強いがご当地アイドルや、女子アナなど独自色の強い商品を生んだ歴史がある。さくら堂、ムービック(HIT’SやBOMBシリーズ)、は今や大人気アイドルの中川翔子など女性アイドルトレカを主力にしているメーカーである。
「エンタメカードの収集方法」
さて、最後にエンタメカードの集め方について、一番簡単な方法はホビーショップやトレカ専門店に行くことだろう。国産トレカならホビーの取り扱いがある家電量販店に行くのも一つの手だ。大都市部に住んでいる方は一番手っ取り早いし興味のあるジャンルのカードに出会える機会にもなるし、さながら博物館とも言えるトレカ専門店のショーケースに並ぶカードの輝きに魅入られる事は間違いない。残念ながら近隣にショップがない場合にはネット通販が容易な手段と言える。インターネット上でも欲しいカード名で検索すればトレカ専門店などがWebショップを運営していることも多いので、自分の好みのエンタメカードのパックやボックス、シングルカードが入手できるだろう。
今は携帯電話一つで色々なものを入手できる時代でもある。使える情報を駆使してエンタメカードの情報や実物を手に入れてみるのはいかがだろうか。
次回、スポーツカードと何が違うの?~エンタメカード収集の魅力~
Hatsune【ライター】
25年以上の収集歴を持つエンタメカード蒐集家。YOUTUBEにてエンタメカードやマジックザギャザリングの開封動画を中心とした「おぢちゃんねる」をプロデュース中。
「おぢちゃんねる」
https://www.youtube.com/channel/UCn-5bMKsU1c__L01NG17uFQ