「ベースカード(ノーマルカード)の魅力!」
エンタメ系トレーディングカード収集の魅力は基本となるベースカード(ノーマルカード)にある。もちろん、出現率の低いインサートカードやスペシャルインサートカードのコスチュームカード、直筆サインカードについても魅力的だし、当然ながら自慢できる逸品となるお宝であることは間違いない。しかし、トレーディングカードの主役は間違いなくベースカードである。その理由を解説しよう、そもそもトレーディングカードが世の中に現れてから数十年以上はベースカードしか存在していなかったのである。トレーディングカード黎明期には、コンプリートを目指し全種類集める。または好きなキャラクターや好きな選手、チームというような集め方であっただろう。当然だが、集め方は各個人の嗜好によるものであるため、それぞれが素晴らしいマイコレクションであることは間違いない。その中でも全種類集めるコンプリートは別格と考えて良いだろう。なにせ全てのカードを揃えるのである、全てのカードを1枚ずつ集める苦労を考えると大いに理解できる。そのコレクションを見返すとき感動も一入だろう。そうベースカードは、そのトレーディングカードの顔であり、中心的存在なのである。少々長くなったが、やはりカードセットの顔であるベースカードを集める事こそ自分のオンリーワンなコレクションの第一歩なのである。
「ベースカードを揃えよう!エンタメカードの集め方」
それでは、スポーツカードとエンタメカードの収集の仕方から違いを探ってみよう。スポーツカードは、先に挙げたインサートカードやメモラビリア、サインカードなどを目当てに収集しているコレクターが非常に多い。近年のベースカードは、MLBのシリーズ1(その年の最初に発売されるシリーズ)でおおよそ400種類以上あるため、ベースカードはコンプリートするというより、好きな選手を集めたり、チームごとに集めるのが主流になっていると感じる。膨大な数あり、コンプリートすることが非常に困難なのである。
一方、近年多く発売されているMARVELやDC、スターウォーズなどの映画や各種ドラマのトレーディングカードは、ベースカードが約100種類とスポーツカードに比べると圧倒的に少なく、カードの内容もストーリーに基づいており、登場人物紹介カードや劇中で使用された武器や特殊装置などのアイテム紹介、ストーリーの中の主要なシーンが切り取られて構成されているものが多い。ドラマであれば、各話でどのような出来事が起こったかというシーンの写真と裏面にはキャプションが記載されたカードで構成されていることが多い。エンタメカードのベースカードを集めるということは、映画やドラマのストーリーを追いかける事と同じであり、その作品のパンフレットやガイドブックを購入することに近いと言える。しかも、トレーディングカードのメーカーRittenHouseやCRYPTZOICから発売されているものは、一箱でベースカードがほぼ揃うというコレクターに優しい設計なのものが多くリリースされておりその点も見逃すことはできない。そのようなことからも、まずベースカードを揃えることがエンタメカードの収集をする上で大きなポイントといえるだろう。
「スペシャルインサートカードの特別な魅力」
もちろん、エンタメカードにも出演者のサインカードや実際に劇中で使用された衣装や小道具などのメモラビリアが封入されたスペシャルインサートカードは存在する。人気のある俳優のサインカードやコスチュームカードは出現率が低い上に人気もあるため、シングルカードで購入しようとすると目玉が飛び出るような価格である場合も多い。だが自分の運を信じてお気に入りの出演者のサインカードやコスチュームカードをパックやボックスから引き当てるチャレンジも魅力的だ。自力で引くことが難しいと感じた場合には、カードショップでシングルカード購入するのも一つの手段ではあるが、先にも挙げたように高額であることは間違いない。
「スペシャルインサートカード入手の注意点」
お気に入りの俳優のサインカードやコスチュームカードを手に入れる上での注意点を紹介しよう。トレーディングカードのセットによっては出演している全てのキャストのサインカードやコスチュームカードが封入されているわけではないので、その点にも注意してパックやボックスを開封することがポイントだ。例えばUpperDeckから2017年に発売された映画スパイダーマン・ホームカミングのトレーディングカードには、主人公でスパイダーマン役のトム・ホランドが封入されていなかった。他にもCRYPTZOICから発売されているDCのドラマシリーズ・アローは、シーズン1~3には、主人公のオリバー・クイン役スティーヴン・アメルのサインカードが封入されていなかったが、シーズン4には封入されるようになった。特にドラマシリーズはシーズン毎に注目されるキャラクターが変わるので、封入されるキャラクターが変わることも多い。もっともメーカーが特定の俳優とサイン契約が出来ずに封入されないこともあるのだが、封入されているかどうかで購入数が大きく変わってしまう事もあるため、メーカーにはその点を考慮してより魅力的なカードセットを作ってほしいものである。
今となっては入手困難なシリーズであるToppsの2000年頃発売のロード・オブ・ザ・リングのトレーディングカードは劇中に登場したほとんどの俳優のサインカードやコスチュームカードが封入された豪華なものだった。主人公フロド役のイライジャ・ウッド、エルフの射手レゴラス役のオーランド・ブルーム、灰色の魔術師ガンダルフ役のイアン・マッケラン、エルフの女王ガラドリエル役のケイト・ブランシェット、馳夫(ストライダー)アラゴルン役ウィゴ・モーテンセン、白の魔術師サルマン役のクリストファー・リー、さらには監督のピーター・ジャクソンまでもが入手可能だった。パイレーツ・オブ・カリビアンでも活躍したオーランド・ブルームや2013年アカデミー主演女優賞を獲得したケイト・ブランシェット、X-MENシリーズでも活躍したイアン・マッケラン等は今となってはサインカードが入手困難なアイテムである事は間違いないので、パックを入手した場合には大いに期待して開封することをお勧めする。
「コレクションをより充実したものに~エンタメカード~」
コレクションを充実させるために何ができるだろう。先に挙げたスペシャルインサートカードを多く収集することも一つのポイントではあるのだが、エンタメカードの発売メーカーによっては、カードセット独自のバインダーを販売している場合もある。これもまたエンタメカード独自のコレクションアイテムである。1990年代は、かなりポピュラーだったカードバインダーも近年では、販売するメーカーが減ってきている。しかしながら、CRYPTZOICやRittenHouseがカード発売と同時に販売するカードバインダーには、それ専用のプロモーションカードがついてくる場合もあるためコレクションの完成度をより上げてくれるだろう。専用のバインダーに収められたコレクションを眺めると自分の宝物の充実度合に顔もほころぶに違いない。バインダーは日本国内だとなかなか手に入りずらいアイテムではあるのだが、行きつけのトレカ専門店にお願いしてみるとカードと一緒に仕入れてくれることもあるので是非チャレンジしてみてほしい。全て英語表記ではあるもののメーカーのホームページをチェックすることでも発見できることもあるので確認してみてほしい。
Hatsune【ライター】
25年以上の収集歴を持つエンタメカード蒐集家。YOUTUBEにてエンタメカードやマジックザギャザリングの開封動画を中心とした「おぢちゃんねる」をプロデュース中。
「おぢちゃんねる」
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