先日、45万円で落札されたばかりの千葉ロッテのドラフト1位・佐々木朗希の直筆サインカードに今度は86万2000円のとんでもない価格がついた。
大手ネットオークション「ヤフオク」で今回、落札されたのはBBM「2020 ファーストバージョン」の7枚限定のクロス直筆サインカードのシリアルナンバー「1/7」。45万円で落札されたサインカードは同シリーズのシリアルナンバー「4/7」。シリアルナンバーの人気順はその選手の背番号=ジャージナンバー、1番のファーストナンバー、最後の番号のラストナンバーとされる。実際に選手を限定せずに、ジャージナンバーだけを集めるコレクターも存在するほどだ。
今回の「1/7」は文字通りのファーストナンバー。7枚限定で、ジャージナンバーの17が存在しないことから、一番の人気ナンバーと言える。さらに、若干の無理があるが「/」があるものの、背番号「17」とも読めることも落札額の高騰につながった、という説もある。
新型コロナの影響により自宅でインターネットをする人が増え、通販サイトやネットオークションの利用者も増えた。購入も増え、オークションへの入札も増えた。それでも、今回の86万2000円は、今までの常識を覆すものだと言えるだろう。
6月中旬にはBBMの「2020 千葉ロッテマリーンズ」の発売が待っている。詳細は発表されていないが、目玉の佐々木の直筆サインカードも封入され、ジャージナンバーのシリアルが登場する可能性は極めて高い。佐々木のルーキーカード狙いで、カードショップには問い合わせや予約の電話が殺到しているとも聞く。佐々木の直筆サインカードだけが欲しくて購入を希望する人も多い、と聞く。本当のマリーンズファン、佐々木ファン、そして、お小遣いでパックを買い続けている子供たちが手に入れられなくなるのは悲しい話だ。
ジャージナンバーが出品された場合、最高額を更新するのは間違いないだろうが、その後はどうだろう? 次に注目されるのは、グレーディングに出した佐々木の直筆サインカードの価値となる。
MLBも開幕が延期されている米国でも、ネットオークションをはじめ、過去のルーキーカードへの評価が高まっている。大手のグレーディング会社が作業をストップしている時期にも関わらず、これまでにグレーディングに出したカードの出品も増え、落札額も上がっている。グレーディングされたカードはもちろん、評価点によるがまず、本物であること、専用のケースにパッキングされ保存状態がいいこと、は保証されることがその理由だ。
あくまで、例として見ると、1989年のUPPER DECK社のケン・グリフィー・ジュニアのルーキーカードは専門誌「BECKETT」で50ドルのところ、米国大手オークションサイト「Ebay」にはグレーディングされた評価「10」のものが多数、出品され16000ドル前後で落札されている。
もし、ネットオークションに出品され、100万円以上で落札された佐々木のジャージナンバーの直筆サインカードがグレーディングで「10」の評価を受けたら…。次にどんな価格がつくのか、見てみたいが、考えるだけでも恐ろしい。
cove【ライター】
国内外のベースボールカードやコレクションアイテムを収集し続けて30年。元スポーツ紙ライター。