小川泰弘(東京ヤクルト)が8月15日の対横浜DeNA戦(横浜スタジアム)で史上82人目(93度目)となるノーヒットノーランを達成した。新型コロナウィルスのため、開幕が遅れたNPBで、快記録は明るい話題となり、トレカになるのも確実。小川のカードの今後に影響を及ぼすことも間違いなさそうだ。
小川は今季がプロ8年目。ドラフト2位で創価大から入団したルーキーイヤーには16勝をあげ最多勝と最高勝率のタイトルを獲得し、新人王にも選出された。スワローズ投手陣の柱として昨季まで65勝をあげた。ニックネームの「ライアン」の由来となった、MLBの剛腕ノーラン・ライアン投手ばりの豪快な投球フォームも人気の理由のひとつだ。
小川のトレカの最高額はネットオークションのデータベース「オークファン」によると、ルーキーイヤーの13年に発売されたBBMの村中恭平投手とのコンボ直筆サインが同年に50,000円で大手オークションサイト「ヤフオク!」で落札され、新人時代の直筆サインが当時、20,000円から約35,000円で取引された例がある。
ルーキーイヤーのインパクトが大きすぎたこともあり、エースにふさわしい成績を残しているか、と言われれば疑問符がつくのは事実。その通りに、小川のトレカもルーキーカード以外ではなかなか厳しい評価が下されている。今年のチームリミテッド、BBM「東京ヤクルトスワローズ」の9枚限定の銀版直筆サインは「ヤフオク!」では8,000円で落札され、入札は1件だけだった。
この試合で昨季に並ぶ5勝目をマークした小川。今回のノーヒットノーランは15年の11勝以来、遠ざかっている2ケタ勝利へのきっかけになるかもしれない。まだ、取引額が上がっていない、そのサインカードやルーキーカードは狙い目だ。
ノーヒットノーランと言えば、2012年8月にはBBMが「NPB歴代ノーヒットノーラン達成者 NO-HITTERS」を発売。この年、前田健太(広島)が4月6日の対横浜DeNA戦で、杉内俊哉(巨人)が同月5月30日の対東北楽天戦で立て続けにノーヒットノーランを達成したことをうけての制作でなかなかの好企画と評判に。1パック5枚入りの1ボックス20パック入りで34投手の直筆サインがあり、前田がビジタージャージー、杉内がアンダーシャツと2種類のメモラビリアも封入された。
ちなみに西勇輝(オリックス=現阪神)も10月8日の対福岡ソフトバンク戦でこのシーズン3人目のノーヒットノーランを達成したが、封入にはもちろん、間に合わなかった。年に1回あるか、ないかのノーヒットノーランだが、続くというジンクスもある。まさか、担当者も3度目があるとは思わなかったのだろう。
昨年は千賀晃大(福岡ソフトバンク)が9月6日の対千葉ロッテ戦で、大野雄大(中日)が9月14日の対阪神戦でノーヒットノーランを達成。オンデマンドカードの「エポックワン」がすぐにカード化し、BBM「FUSION」でもそのシーンがカードとして封入された。
ちなみに、小川の「師匠」ともいえる本家のノーラン・ライアンはMLB史上最多となる7度のノーヒットノーランを達成している。
cove【ライター】
国内外のベースボールカードやコレクションアイテムを収集し続けて30年。元スポーツ紙ライター。