NHLのウェイン・グレツキーのルーキーカード(RC)が12月11日、米大手オークション「ヘリテージ・オークション」にて129万ドル(約1億3400万円)で落札された。同オークションが4日間限定で開催した「フォール・スポーツ・コレクタブル・カタログ」での取引で、NHLのカードでは初めてオークションの落札額が100万ドルを超え、先日のMLBのスーパースター、マイク・トラウト外野手(エンゼルス)のRCがつけた現役のMLB選手の野球カード史上最高額、92万5000ドル(約1億円)も越えた。
NHL史上最高の選手と言われるグレツキーがセンターフォワードとしてオイラーズ、キングス、ブルース、レンジャーズで記録した通算894ゴール、1963アシストはともに歴代最多。20年間の現役生活でレギュラーシーズンのMVPを14 度、受賞。プレーオフでもMVPに2度、選ばれ、スタンレーカップでは4度、優勝し、殿堂入りも果たしている。「ザ・グレートワン」のニックネームがあるが今回のオークション結果に「グレートワンがグレーティストワンになった」と報じるメディアもあった。
129万ドルで落札されたカードは1979年版「O-PEE-CHEE」のオイラーズ時代のRC。直筆サインはないが、PSA鑑定で10点満点がついている。2016 年8月のオークションでは同じカードが46万5000ドルで落札されており、4年間で2倍以上、3倍に近い額がついたことになる。このイベントではグレツキーの1979年版「TOPPS」のPSA鑑定10点満点のRCが72万ドルで落札され、それまでの同カードの20万1000ドルの落札額を大きく更新したばかりだった。
「O-PEE-CHEE」はカナダのトレカメーカー(元々は菓子業)で、同国の法律により英語とフランス語の併記が義務付けられているレアなカードを制作。1958年からTOPPS社と提携したが、トレカ販売を中止。のちにTOPPS社が「O-PEE-CHEE」ブランドを復活させ、最近ではUPPER DECK社も「O-PEE-CHEE」ブランドのトレカを発売している。
グレツキーと言えば、野球好きとしても知られ、かつて、かの有名な、ホーナス・ワグナーの「T206」を収集。グレツキーが保持していたことで付加価値がついたこのトレカは「グレツキーT206ワグナー」と呼ばれ、グレツキーが1991年の競売で、45万1000ドルで落札。95年にオークションに出品し50万ドルで落札された。また、最初にPSA鑑定を受けたトレカとしても知られている。グレツキーは自分のRCにとんでもない価格がついたことをどう思うのだろうか?
トレカジャーナル編集部