ここ数年、トレカ業界、コレクターの間で通説になっているのが、直筆サインカードより、ルーキーカードパラレルのほうが高い価格で取引される、というもの。それが、「究極の直接対決」で証明された。
12月13日、米国の「ゴールディン・オークションズ」でNBAのヤニス・アデトクンボ(バックス)のルーキーカード「2013-14 PANINI PRIZM」の1of 1パラレル「Prizms Black Mosaic」が1,168,500ドル(約1億20000万円)で落札された。
奇しくも、ほぼ同時期に米国の「ヘリテイジ・オークションズ」では、同選手の同ブランドの1 of 1の直筆サインカード「Prizms Black」は384,000ドル(約4000万円)で落札された。
オークション会社こそ違うが、ともに米国では最大手。さらに2枚のカードともに、ベケット社の鑑定でカードの状態は9.5と高評価(サインカードのサインの状態は10評価)。これ以上、比較しようがない「究極の1枚」の「直接対決」で、パラレルのほうが直筆サインより圧倒的に高い結果となった。
アデトクンボは2019-20シーズンで2シーズン連続MVPに輝いた。ギリシャ生まれのフォワードは2013年のドラフトで1巡目(全体15位)指名を受けバックス入り、20-21シーズン前に5年2億8000万ドルの大型契約を結んだ。今年9月には「ゴールディン・オークションズ」で「2013-14 PANINI National Treasures」のロゴマン・パッチが挟み込まれた1 of 1の直筆サインカードが1,857,300ドル(約1億9000万円)で落札されたばかり。この落札額はNBAカード史上最高額とされている。
あえて、今回の2枚の落札額の圧倒的な大差を指摘するなら、1 of 1パラレルは純粋なレギュラーのルーキーカードがベースカードであること、と1 of 1の直筆サインはレギュラーカーとはデザインも違うインサートの扱いになること、ぐらいだろうか。それでも、「究極の直接対決」の結果で、今後のトレカ市場はさらに、直接サインよりルーキーカードパラレル、の傾向が強くなるのは間違いなさそうだ。
トレカジャーナル編集部