MLBニューヨーク・ヤンキースからFAとなっていた田中将大投手がNPB東北楽天ゴールデンイーグルスと1月28日、契約を結んだ。田中は8年ぶりの日本球界復帰で、トレーディングカードの市場にも大きな影響を及ぼしそうだ。
昨年12月からヤンキースがトレードで投手を獲得したとか、FAの投手と契約した、というニュースが流れるたびに、田中投手の去就に結びついている、と言われてきた。ヤンキース以外のMLB数球団も田中獲得に関心があった、という。1月に入り、米国でも東北楽天復帰の可能性が報道され、東北楽天の石井一久監督兼GMが公の場でラブコールを送って、一気に現実味が帯びてきた。
そして、この日の電撃発表となったが、契約内容にも驚かされた。東北楽天からヤンキースへポスティングシステムで移籍した際には7年総額161億円(1億5500万ドル)の大型契約を締結。これは現在でもMLB投手の大型契約ランキングで10位に入る。昨季の年俸は23億9200万円だったが、新型コロナの影響でシーズンが60試合になり8億8600万円を受け取った、とされる。今回は年俸9億円プラス出来高払いの2年契約。年俸はNPB最高で、昨季の額を超えた。
2007年に高校生ドラフト1巡目で東北楽天に入団し13年までの7年間で175試合に登板。通算99勝35敗3セーブ、防御率2.30の数字を残した。13年にはNPB新記録となる開幕24連勝で球団初のリーグ優勝、日本一に貢献した。MLBも7年間でほぼ同じ174試合に登板。78勝46敗、防御率は3.74だった。シーズンが短縮された昨季を除けば6年連続2ケタ白星と安定した投球を見せた。
東北楽天時代もエースのトレカは人気が高かった。13年に発売された田中投手のトレカセット、BBM「不敗神話」の直筆サインが「ヤフオク!」に出品された際には最高35万円で落札されたこともある。ヤンキースとの大型契約で話題になり、米国製のトレカも注目を集め、ルーキーカードは高値で売買された。その投球同様、市場価格は安定していた。
MLBへの復帰の可能性は?その時期は?とNPB復帰が決まったばかりで今後のことはまったく想像もできない。では、米国製のトレカは?
田中投手の今年の米国製トレカはすでに制作されているため、発売されるだろう。直筆サインもこれまでに田中投手がペンを走らせたシールの在庫があるかもしれない。今年の米国製トレカはある意味、レアなカードになる。田中投手は日本でマウンドに上がるのだから。田中投手のヤンキース退団を惜しむ声はチームメートをはじめ、米国全土で上がっている。米国製トレカの市場価格はこれまで以上に上がりそうだ。
では、日本でのトレカはどうなるだろう?BBMは現在、「1stバージョン」の制作中。関係者によると「当然、1stバージョンに封入できるように準備に入りました。直筆サインのオファーも進めます。球団の承諾待ちとなるでしょう。写真をどうしましょうか」とうれしい話も。
「決断に至った経緯や思いは、後日、入団会見を行う予定ですので、その席でお伝えできればと思います」とツイートした入団会見の写真が使われれば、日本のトレカではルーキー以外では、こちらもレア度がアップする。今から入団会見が楽しみだ。もちろん、マー君はトレカの話はしないだろうが…。
トレカジャーナル編集部