日本でもTOPPS BASEBALL「Series 1」が発売された。MLBトレーディングカードの定番ともいえる同ブランドだが、今回は新型コロナウィルスに苦しむ世界とこの時代を象徴するかのようなカードが封入された。
これまで、コロナに関する写真を使ったカードは少なかった。ネガティブなイメージだからなのか。TOPPSのオンデマンドカード「TOPPS NOW」が昨年、米国の首都ワシントンにあるナショナルズパークで開催されたナショナルズとニューヨーク・ヤンキースの開幕戦の始球式に登板した米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のアントニー・ファウチ所長をカードにして話題を呼んだぐらいだろうか。
今回、封入されたカードはMLBの現役スーパースター、マイク・トラウト外野手(ロサンゼルス・エンゼルス)のもの。レギュラーカードの写真違いのバリエーション「SSP」として、黒いマスクをしている姿がカードになった。もちろん、マスク姿でもサマになるのは、さすがトラウトというところか。
近年の同ブランドでは、レギュラーカードのベース、写真違いのショートプリント(SP)、スーパーショートプリント(SSP)、ウルトラ(ULTRA=SSSP)が存在。これが新しい人気企画になっている。ボックスに1枚の割合でいずれかが封入されているようだが、「JUMBO BOX」の場合、SPは1:24、SSPは1:715、ULTRAは1:27,242となっている。そして「HOBBY BOX」の場合、SPは1:69、SSPは1:2,049、ULTRAは1:74,986となっている。「JUMBO BOX」と「HOBBY BOX」では出現率に差が出ているので、よりレアな写真違いを引き当てたいのなら「JUMBO BOX」の方がオススメだ。
すべてのベースカードに写真違いがあるわけでもないこともポイントだ。ベースと違うどんな写真が使われているのか全貌は明らかになっていないが、裏面の注意書きの最後に記された製造番号で判断することができる。ベースは「213」、SPは「230」、SSPは「231」、ULTRAは「232」となっている。この文字が小さいこともコレクター泣かせではあるが、逆にこの苦労もカード収集の面白さ、という意見もある。
トラウトはジェシカ夫人が第1子を昨年8月に出産予定だったことから、新型コロナの感染を恐れ、シーズンの出場を辞退するのではないかと憶測を呼んでいた。ところが開幕前に出場を発表。8月2日の長男・ベッカム君の誕生に立ち会ったために「産休」こそ取ったものの、シーズン全60試合中53試合に出場して打率.281、17本塁打、46打点の成績を残した。
いずれにせよ、ULTRAよりも出現し易いとはいえ、SSPである。ましてや、人気のトラウトのSSPである。黒マスクのカードは、新型コロナなみにコレクターを悩ませるかもしれない。
トレカジャーナル編集部