TOPPSのF1(フォーミュラー・ワン)旋風が吹いている。その先頭を突っ走るのが「絶対王者」ルイス・ハミルトンだ。米ネットオークション「ebay」で2月19日、TOPPS「2020 DYNASTY FORMULA 1」のハミルトンのデュアル・パッチ直筆サインカードが7,995ドル(約84万円)で落札された。他のスポーツでは人気を集めてきた同ブランドにとってF1は初の進出となったが、1ボックスが12万円近い高級版ながら店頭ではほぼ完売状態。TOPPS社は定番ブランド「TOPPS CHROME」でもF1カードの発売を予定しており、旋風は止まりそうもない。
「前哨戦」ともいえるF1トレカがあった。TOPPSのオンデマンドカード「TOPPS NOW」でもF1が取り上げられた。これまで25種類のF1トレカがカード化された。その中のルイス・ハミルトンのPSA10のトレカも「ebay」では2,000ドル(約21万円)で出品され、落札された。
ハミルトンは2月8日にメルセデスAMGペトロナス・モータースポーツとの契約を1年延長したことを発表した。2013年にマクラーレンからメルセデスに移籍し14、15年と2年連続、17年からは3年連続でチャンピオンに輝いた。昨年は第12戦ポルトガルGPでミハエル・シューマッハーの記録を超える歴代最多の通算92勝目をマーク。第14戦トルコGPでは逆転でドライバーズ選手権を4連覇。タイトル獲得でもシューマッハーに並ぶ最多タイの7回とした。
日本での自動車レースのトレカ人気は米国に比べればまだまだ高いとは言えないが、F1は特別な存在だろう。1976年に鈴鹿サーキットで日本GPが開催。07、08年は富士サーキットに舞台を移し、09年から再び、鈴鹿へ。昨年こそ新型コロナの影響で中止になったが、毎年熱戦が行われ、今年も10月に2年ぶりの開催が予定されている。日本の自動車メーカーが参加していることに加え、日本人ドライバーの存在もある。
1987年には、日本人初のF1フル参戦ドライバーとして中嶋悟がロータス・ホンダからデビュー。鈴木亜久里、片山右京、井上隆智穂、中野信治、高木虎之介と続き、佐藤琢磨、中嶋一貴、小林可夢偉も出場。鈴木、佐藤、小林が日本人ドライバー最高の3位に入った。昨年12月にはアルファタウリ・ホンダがホンダとレッドブルの育成ドライバーだった角田裕毅をレギュラードライバーとして起用することを発表。2014年の小林以来7年振り10人目となる日本人のフル参戦ドライバーが誕生した。
発売が延期されている「TOPPS CHROME」だが、「ebay」ではプレセールとして1ボックスが1,200ドル(約127,000円)を超える金額で出品されているなど、米国でも発売前から人気は加熱している。
トレカジャーナル編集部