PSA(Professional Sports Authenticator)のグレーディング鑑定の受付が2か月ぶりにスタートした。
今回から申し込み価格の改定が行われ、ひと言でいうと「値上げ」になった。料金改定のポイントはふたつ。高額なトレーディングカードの受付料金が細分化され、これまでの料金に比べ「値上げ」された。ある程度の枚数をまとめて申し込めば割引になった「バルク」申し込みがなくなり「値上げ」になった。
それでも、受付を代行しているトレカショップ「ミント」各店舗にはこれまで以上の申し込みが続いている、という。3月分の受付を新料金への移行の準備期間として休んだことも、その理由のひとつだが、何と言ってもグレーディング鑑定の存在価値について、日本のコレクターが理解し、世界的な需要が高まっていることが大きい。
今回の料金改定は単なる「値上げ」ではない。PSA社では1991年からグレーディングを始め、2018年に日本支社をオープン。日本の市場に進出する際に、グレーディングとPSAの認知度を上げるために、米国よりも、コレクターがグレーディングを始めやすい価格で受付。当初から3年間はこの価格で続け、今年4月分からの新料金にする計画だった、という。つまり、今回の「値上げ」はグレーディングの「適正価格」でもある。
自分のコレクションのトレカがどれだけの評価を受けるのか、だけではない。レーザーで接着される保護ケースに入るだけでもない。ネットやアプリで登録管理できるのだ。鑑定後につけられたアイテム番号を入力すれば、PSAのHPでその内容がわかる。「eBay」をはじめ「ゴールディン」や「ヘリテージ」のオークションと提携しているため、オークションへの出品履歴もわかる。
「Population Report」(鑑定枚数分布データ)をクリックすれば、自分のコレクションと同じトレカが何枚、グレーディングに出され、評価点別の鑑定結果もわかる。これだけのことができるのだから、やはり、「適正価格」といえる。
しかしながら、何と言っても、グレーディング鑑定の一番の価値は、世界で通用する信頼を得る、ということにあるのではないだろうか?
それは世界共通の「通貨」のようなものである。オークションに出品するにしても、落札するにしても、グレーディング鑑定されていれば、安心して取引することができる。
だから、グレーディング鑑定されたトレカは、鑑定していないものより、価値も価格も上がる。
有名なトレカでは、NBAマイケル・ジョーダンのルーキーカード「1986 FLEER」は鑑定しないものは「eBay」でも500ドル(約54,000円)前後で落札されるが、「PWCC」のオークションではPSA10なら208,100ドル(約2,250万円)で落札された例がある。
同じようにMLBケン・グリフィー・ジュニアのルーキーカード「1989 UPPER DECK」は100ドル(約11,000円)がPSA10で6,600ドル(約71万円)。ジョーダンは450倍、グリフィーは66倍に跳ね上がるのだ。
もちろん、ジョーダンもグリフィーも特別な例かもしれないが、あなたがコレクションしているトレカも何か、きっかけがあれば、そうなる可能性を秘めていることも事実である。その「可能性」に支払うグレーディング鑑定料なら、やはり「適正価格」と言わざるを得ない。
【PSAグレーディング申し込み新料金】
・レギュラー(同1円~50,000円)が3,300円
・XP(同50,001円~250,000円)が8,800円
・スーパーXP(同250,001円~1,000,000円)が34,375円
・プレミアム(同1,000,001円~2,500,000円)が137,500円
・スーパープレミアム(同2,500,001円~5,000,000円)が275,000円
・プレミアムクラス(同5,000,001円~10,000,000円)が412,500円
・プレミアムエリート(同10,000,001円以上)が687,500円
Mickey(ライター)
ロサンゼルスに単身赴任していた父親に会いにいき、トレカにはまる。トレカが好きすぎて、高1でオクラホマ州マッドイルに1年間、留学。2009年のWBCで侍ジャパンの優勝をドジャースタジアムの左翼スタンドで見届けたのは一生の自慢。NPBは千葉ロッテマリーンズのファン。