間もなく4月分の受付が終了するPSAのグレーディング鑑定ですが、日本では3月分の受付が新料金への移行期間としてお休みになったため、これまで以上に多くのトレーディングカードが持ち込まれているようです。
グレーディングにはいろいろな目的がありますが、何といっても一番は自分のコレクションの価値を上げる、ということだと思います。同じカードでもグレーディングしたものが、グレーディングしていないものに比べて、トレカ自体の内容と評価点にもよりますが、NBAのマイケル・ジョーダンのルーキーカードでは約450倍になっているそうです。
それでも、ちょっとひと味違う、グレーディングの楽しみ方があるのです。知人のトレカコレクターが実際にやっている楽しみ方なのですが、世界で1枚だけの「1 of 1」を自分で作ってしまう、というものです。「1 of 1」のトレカをグレーディングに出すのではありません。それでは、それでどんな評価点がつくのが楽しいでしょうか…。
グレーディングに出したトレカを他のコレクターが何人、何枚くらい、鑑定しているのか、はPSAのHP内の「Population Report」で分かります。そこで10点満点が1枚しかないなら、すごいことです。
でも、誰も鑑定を依頼しないトレカをグレーディングに出したら…。鑑定されたトレカは超音波で封をされた保護ケースに入って戻ってきます。そして、「Certification Number」も割り当てられて戻ってきます。この「Certification Number」を打ち込むか、保護ケースの裏面にあるQRコードを読みこめば、そのトレカがネット上で管理できます。そこでも、同じトレカがそれまでに何枚、鑑定に出されたか、が分かるのです。
ミント立川店の高橋店長のブログによると、PSAで受付可能、不可能カードは以下の通りです。
【受付可能、不可能カード】
・TOPPS、PANINI、UPPER DECKなどの海外メーカーのカードは鑑定可能です。
・BBM、EPOCH、カルビー、タカラ、ポケモン、遊戯王、デュエルマスターズ、マジックザギャザリングなどは鑑定可能です。
・国内メーカーで発行されたサッカーカードは旧年度のものを中心に鑑定不可の場合もございます。
・ポケモンカード⇒ 日本語版及び英語版に加え、全ての外国語版もグレーディング可能。
・マジック:ザ・ギャザリング ⇒2003年以前の日本語版もグレーディング可能、全ての外国語版 もグレーディング可能。
・ヴァイスシュヴァルツ ⇒新たに日本語版及び英語版がグレーディング可能。
(注:外国語版のプロモカードや限定品など特殊なカードについては、グレーディングできない場合がございます)
・ブックレットカードは鑑定出来ません。
・TOPPS、PANINIなどのシールで封印されたマグネットホルダー入りカードは鑑定出来ませんが、お客様ご自身でシールを剥がして頂いた状態でお持ち込み頂けましたら鑑定可能です。
・直筆サインにつきましては、1997年以前のものの場合、メーカー発行のものであっても鑑定不可となります。
条件としてはそれほど厳しいものではありません。ちょっと昔のトレカでも、最近のトレカでも「1 of 1」が狙えるのです。
知人のコレクターに、3月26日現在、世界で1枚しか鑑定されていないコレクションを見せてもらいました。すべて、パラレルではなく、レギュラーカードになります。
【1992 PRO SET「GUINESS」のツタンカーメン 】
光り輝く写真が美しいです。
【1992 PRO SET「GUINESS」のモナ・リザ】
世界で1枚の名画ですが、これも世界で1枚のPSAグレーディング鑑定トレカです。
【2013 TOPPS「75TH ANNIVERSARY」のアルフ】
日本ではNHKでも放送された米国のコメディドラマの宇宙人キャラクター。昨年、放送されなかった幻の最終回がDVDで発売され話題に。知人の一番のコレクションだそうです。
【2019 PANINI「CRONICLES」の南野拓実】
現在はプレミア・リーグのサウサンプトンFCに所属する日本代表MF。このトレカは5枚がグレーディング鑑定を受けています。それでも、わずか5枚しか、鑑定されていないのは本当に意外です。
トレカ収集の元々の楽しさは、他人がどう言おうとも、自分が好きな選手やキャラクターのトレカを集めること。それを思い出させる、ちょっと変わったグレーディング鑑定の楽しみ方ではないでしょうか?
Mickey(ライター)
米国に単身赴任していた父親を夏休みに訪ねて、トレカにはまる。野球とノンスポが得意ジャンル。野茂英雄さんのトレカをパーソナルコンプするために今もレアカードを探している。NPBは千葉ロッテマリーンズを応援する。