MLBが4月1日に開幕した。有観客試合でのスタートということもあり、熱戦に開幕戦から各球場は盛り上がっている。一投一打の裏に様々なドラマがあるが、2日にはトレーディングカード史に残るかもしれない「事件」も起きた。
コロラド・ロッキーズが昨年のワールドチャンピオン、ロサンゼルス・ドジャースを本拠地・クアーズフィールドに迎えた開幕カード2戦目。今季からドジャースに移籍した「鬼才」トレバー・バウアー投手の快投もあり、ロッキーズは6-11で敗れた。4本の本塁打での追い上げに盛り上がった地元ファンだったが、その猛攻よりもスタンドの声援を集めた「事件」があった。
8回裏のロッキーズの攻撃中のことだ。一匹の猫がグラウンドに乱入したのだ。野良猫とは思えないグレーの毛並みのよさ。三塁側のファウルゾーンから登場し、中堅手のコディ・ベリンジャー外野手の横で座りひと休みすると、球場スタッフに追われ外野のフェンス沿いへ。暴れる様子もなく、おとなしく捕獲されると、スタンドからはブーイング。選手たちから、主役の座を奪ってしまった。
人間の乱入はもってのほかだが、MLBでもNPBでも動物の乱入はなぜか、歓迎される。MLB公式ツイッターも、今回の乱入から捕獲までの一部始終を動画で紹介したほどだ。そして、この「事件」に即座に反応したのがTOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」だった。すでに受付は終了したが、2958件の申し込みがあった。同時に発売された、開幕から8打席連続安打のエルミン・メルセデス捕手(ホワイトソックス)の5152件には及ばないが、他の選手が400件台だっただけに、「猫」の人気ぶりがわかる。
「TOPPS NOW」にとっては、初めての乱入動物トレカではない。2018年9月9日のデトロイト・タイガース対セントルイス・カージナルス戦の7回にリスがコメリカパークのグラウンドに乱入。この時はタイガースの本拠地だったが、カージナルスは以前にリスが乱入した試合で大逆転での勝利を演じたことがあり「逆転の使者」として伝説に。トレカにも「2011年以来の登場」と記されている。この「リスカード」は2294枚、発売された。つまり、今回の「猫カード」は枚数でその記録を更新したことになる。
ちなみにMLBでは「逆転の使者」だけではなく「連敗ストップの使者」として動物にあやかることが多く、「TOPPS NOW」ではこれまで、「ガチョウカード」「カマキリカード」が発行されている。
トレカジャーナル編集部