新型コロナウィルスの感染拡大で合流が遅れていたNPBの外国人選手が出場し始めた。だが、調整の遅れの影響か、張り切り過ぎためか、「悲劇」が立て続けに起きた。デビュー戦でアクシデントに見舞われた助っ人のトレーディングカードは作られるのだろうか?
東北楽天のルスネイ・カスティーヨ外野手は4月23日、対埼玉西武戦に「3番・右翼手」で初出場。初回に回ってきた第1打席で6球目にファウルを打った際に左腹斜筋を痛め、2回の守備からベンチに下がった。復帰は6月になる、という。わずか7球で終わった初戦は、同日、同じく今季からゴールデンイーグルスに加入し初出場した同僚のブランドン・ディクソン外野手が本塁打デビューを飾ったのとはあまりに対照的だった。
4月27日には巨人のエリック・テームズ外野手が重傷を負った。対東京ヤクルト戦に「6番・左翼手」で初出場。3回の守備で打球を処理しようとした際にジャンプし着地した際に倒れ悶絶。救急車で神宮球場から病院へ運ばれ、受けた診断は右アキレスけん断裂。翌日、松葉づえで球場を訪れたが、帰国して米国で手術を受けることになり、今季絶望の可能性が高い。
今季は新型コロナウィルスの影響で、ビザの発給が規制された。昨年、NPBでプレーした実績のある一部の選手を除き、1月上旬の緊急事態宣言で、新規の入国は一時停止となった。来日の日程も決まらない中、自国で調整を続けた。来日しても隔離期間を経て、2軍戦に出場。それぞれに結果を残したのはさすがだったが、スプリングトレーニングを経験できないなど、日本の野球に慣れる期間はあまりにも短かった。遅れた分を取り返そうと張り切りすぎたこともあるだろう。
オリックスのブランドン・ディクソン投手に至っては来日が絶望的と、言われている。家族のビザ発給が現時点では難しいことが理由だ。バファローズにとっては外国人投手としては最長となる9年目を迎える今季。昨年は単身でシーズンを過ごしたことから、今年は家族との来日を強く希望していた。順調にいけば、今季中に国内FA権を取得し、来季からは外国人枠を外れるはずだったが、それもどうなるか、わからない。
優勝の行方に大きな影響を与える外国人選手は球団にとっては重要な存在だが、ファンにとっても楽しみな存在である。エポック社の「日本プロ野球外国人OB選手会」のカードセットが大ヒット商品になったことからもわかる。
それでは、ここまで発売された2021年版のトレーディングカードに封入されなかった外国人選手は今後、トレカになるのか。BBMも「2ndバージョン」の制作に入ったが、すでに来日してプレーしている選手はトレカになるだろう。カスティーヨも復帰後、作られるトレカがあればカードになるだろう。日本のカードメーカーはネガティブな内容のトレカは作らない。そうなると、テームズ、オリックスのディクソンのトレカ登場は微妙か。
新型コロナウィルスはまだまだ、トレカ業界にもさまざまな悪影響を与えている。
トレカジャーナル編集部