MLBロサンゼルス・エンゼルスは5月6日、アルバート・プホルス内野手に対してメジャー40人枠から外したことを発表した。プホルスはメジャー21年目の41歳で、通算667本塁打は史上5位。通算2886試合に出場して歴代13位の3253安打、同2位の2112打点を記録。多くのトレーディングカードが発行されている、トレカ界でもレジェンドといえる強打者だった。
突然の発表は米国だけでなく、日本にも衝撃を与えた。これまで首位打者、打点王、2度の本塁打王に。セントルイス・カージナルスで2度のワールドシリーズ制覇に貢献し、MVPにも3度、選ばれた。デビューした2001年にはスピード感あふれる攻守走でア・リーグの新人王に輝いたイチロー(シアトル・マリナーズ)に対して、パワフルな打撃でナ・リーグの新人王に選出されたことで日本のファンやカードコレクターには知られた。
2012年にはエンゼルスと10年の大型契約を結んだ。大谷翔平がエンゼルスに入団した2018年からは、日本でもテレビ中継が増えたこともあり、お馴染みの選手だった。
10年契約の最終年を迎えた今季はここまで24試合に出場し打率.198、5本塁打、12打点。力の衰えは明確で、指名打者に大谷、一塁にはジャレッド・ウォルシュの台頭もあったとはいえ、異例の対応だった。その裏には現役続行、スタメン出場を望んでいる本人の意向を汲んで、他球団への移籍の道が開けるようにしたエンゼルスの配慮も見える。フリーになる時期が遅くなれば、獲得に手を挙げるチームも減るからだ。
2008年には社会貢献でも著しい活躍を見せた選手に贈られるロベルト・クレメント賞も受賞した。夫人の連れ子が重病だったこともあり、子供に関する慈善活動にも積極的で人望も厚い。筆者がたまたま、アナハイムで観戦した試合でもゲームセット直後に着替えてグラウンド内で行われた子供の人権擁護を訴えるイベントに選手でただひとり参加していた。
殿堂入りも確実と言われるだけに、そのルーキーカードは市場価格も高い。デビュー年の直筆サインカードには当時では破格の1,000ドル(約130,000円=当時)を超えていた。3球団目のユニホームに袖を通すことができるのか、再びグラウンドで豪打を見せることができるのか、その時、レジェンドのトレカはどうなるのか、予断を許さない状況だ。
トレカジャーナル編集部