トレーディングカードが新時代を迎えるかもしれない。メモラビリアやアパレルなど、スポーツライセンスマーチャンダイジングで知られるFANATICS社がトレカの制作・販売に関して、MLB、NFL、NBAの各選手会とライセンス契約を完了した。複数の米メディアが伝えた。来年にも新しいブランドのトレカが登場することになりそうだ。
「ウォールストリートジャーナル」などが報じるほどの大ニュースだった。FANATICS社は様々なベンチャービジネスにも進出し、現在の資産価値は180億ドルと言われるまでに拡大した。MLB、NFLの各リーグ、NFL選手会、MLS(メジャーリーグサッカー)はFANATICS社の株式を保有し、F1レースに関連するeコマースと製造の権利も持っている。MLBロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手とメモラビリアに関する独占パートナーシップ契約を7月に結んだほか、日本法人の「FANATICS JAPAN」はNPB埼玉西武ライオンズと「MAJESTIC」ブランドで公式ユニホームを提供している。
今回は日本でも知られるスニーカー再販サイト「Stock X」の創設者でもあるジョシ・ルーバー氏をトップにトレカを扱う新しい部門を設立。 MLB、NFL、NBAの各選手会からも出資を受けることが決まっている。MLBとNFLの選手会が2年前にライセンスの権利と収益増加を目指し共同で立ち上げた組織「One Team Partners」も今回の動きにはからんでいる。
現在、トレーディングカードの制作・販売はTOPPS社とPANINI社がほぼ独占している。TOPPS社はMLBとその選手会、フォーミュラー1(F1)、WWEなどと、PANINI社はNBA、NFLの各リーグ、各選手会とライセンス契約を締結している。PANINI社はMLBとは契約していないが、MLB選手会と契約しており、チームのロゴマークなしのトレカを制作している。
トレカに関するライセンス契約は、TOPPS社とMLBが2025年まで、PANINI社とNBA選手会が同じく2025年まで、PANINI社とNFL選手会との契約が2026年までとされている。
FANATICS社が2026年からのNBA、NBA選手会とのトレカに関する独占のライセンス契約を結んだ、という一部報道もあり、今後の展開が注目される。
トレカジャーナル編集部