うれしさ半分、怖さ半分、半信半疑の夢のようなニュースが飛び込んできた。新庄剛志さんが来季の北海道日本ハムファイターズの新監督候補に挙がっている、という。
栗山英樹監督が退任を発表。東京五輪で日本代表の指揮を執った、ファイターズOBの稲葉篤紀さんの招聘が有力視されていたが、稲葉さんはゼネラルマネージャー(GM)に就任。新庄さんの存在がクローズアップされた。このタイミングで、米国では元ファイターズ監督のトレイ・ヒルマンさんがMLBマイアミ・マリーンズのコーチを辞して他球団への移籍を示唆。NPBの古巣への復帰もウワサされ、新庄さんをサポートするヘッドコーチ就任も囁かれている。
昨年12月に48歳で12球団合同トライアウトに挑戦。1安打を記録したが、NPB球団から声がかかることはなかった。新庄さんは西日本短大付高からドラフト5位で阪神タイガースに入団。2000年オフにMLBニューヨーク・メッツへFA移籍。02年にはサンフランシスコ・ジャイアンツへトレードで移籍し、03年に再びメッツに復帰した。04年からファイターズへ電撃移籍すると3年間プレーし、現役ラストイヤーとなった06年には日本シリーズを制覇した。
NPB時代、特にファイターズでの3年間も眩いばかりの輝きを放っていたが、MLBでの3年間も輝いていた。日本人選手として初めてワールドシリーズに出場した。そこで、MLB時代のトレーディングカードの中からボクなりのベストカードを選んでみた。
Tsuyoshi Shinjoのサインカードはない。一時期、Beckett Baseballのプライスガイドに2001年のUPPER DECK「シリーズ2」に背番号と同じ5枚限定の直筆サインカードが記載され、個人輸入でカート買いしたことがあったが、お目にかかれなかった。市場に1枚も出回っていないことから誤情報だったのかもしれないが、今でも存在するとボクは信じている。
Shinjoほど、メモラビリアカードがふさわしい選手はいない気がする。ファイターズ時代も特殊メークや戦隊もののマスクをはじめ、電光掲示ベルト、金バットなどプレーだけでなくグッズも派手だった。米国メーカーのトレカもジャージー(ユニホーム)、パッチ、バット、キャップ(帽子)など多くのメモラビリアカードが作られた.
だが、何と言ってもナンバーワンはリストバンドカードだろう。FLEER「2001 Authority」にはオレンジのリストバンドが挟み込まれたリストバンドカードが封入された。今では誰でも使用している長いリストバンド(アームバンド)は当時ではMLBでも珍しく話題になった。ボクはサンフランシスコのギフトショップで背番号5入りのレプリカのリストバンドを購入した。
ルーキーカードでは「TOPPS」や「TOPPS Chrome」のベースカードもカッコいいし、同じく2001年にシアトル・マリナーズに入団したイチローとのFLEER「Ultra」のコンボカードもいい。
それでも、UPPER DECK「SP Authentic」と「Sweet Spot」はデザインもShinjoの打撃フォームもかなり、いい。しかも、この2枚はシリアルナンバー入りの限定カードである。
まさに攻守走の3拍子がそろったShinjoだけに、打っても、守っても、走ってもカード映えする。
それでも、UPPER DECK「2002 シリーズ2」のトレカは異例の写真が使われている。このスマイルとピースサインだけは誰にも負けない。
もし、新庄監督が誕生すれば再び、大フィーバーが巻き起こるだろう。トレカもたくさん、作られるだろう。強く明るいファイターズの復活とともに、新庄監督のトレカは楽しみでたまらない。そういえば、「ハンカチ王子」が引退して、背番号1が空いたのも運命のような気がしてきた。
Cove(ライター)
国内外のコレクションアイテムを集めて30年余り。トレカはレギュラーカードのコンプリートと、日本人メジャーリーガーのカード収集がメーン。日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。