ハンドボールのフランス代表で五輪金メダル3度のリュック・アバロが11月19日、日本デビューを果たした。ジークスター東京に加入したアバロは対大同特殊鋼戦(東京・墨田区体育館)で日本リーグ初出場。4得点をあげ、スコア30‐26の逆転勝利に貢献した。
フランスのハンドボール界の「レジェンド」もさすがに緊張したのか、前半は「らしさ」がなかったが、リードを許した後半になると実力を発揮。右サイドから芸術的なシュートを連続で決めた。「まだ、コンディションは70%くらい。もっとスピードは出せる」と笑顔を見せた。
アバロは、チームメートとなった土井レミイ杏利と共通の知人であるフランス代表のティモテ・エンゲサンを通じて土井にコンタクト。金メダルを獲得した東京五輪の選手村で土井と直接、会った。元々、日本の文化などに関心があったことに加え「日本のハンドボール界の発展に貢献したい」と日本リーグ入りを決めた。
国内のリーグ戦でも数々のタイトルに輝いたほか、フランス代表として五輪金メダルを3回、銀メダルを1回獲得した世界的なスターである37歳。代表を引退したことも日本行きにつながったが、まだまだ、衰えは感じさせないプレーをデビュー戦で見せた。16日に行われた入団会見では「これからはもっとクラブに集中できる。自分が光るというよりもクラブを優勝させることに力を注ぎたい」と目標を掲げた。
ジークスター東京の横地康介監督は「世界的な名プレイヤーであるアバロ選手には世界トップの経験や知識をジークスターだけじゃなく、日本のハンドボール界にシェアしていただいて、我々としてもチームに生かし、日本のハンドボールが世界に通用するレベルに行けるように協力していただきながら一緒にやっていきたい」と期待する。また、ジークスタースポーツエンターテインメント株式会社の大賀智也代表取締役は「アバロ選手はファッションやアートなどいろいろな才能をお持ちです。我々ジークスターもデュアルキャリアというのを謳っていますので、そういうところを学ばせていただきたい」と話した。
日本のハンドボールは男子代表が「彗星ジャパン」、女子代表が「おりひめジャパン」と呼ばれ、東京五輪で脚光を浴びた。男子は1次リーグ敗退も33年ぶりの勝利。1月の世界選手権では24年ぶりの1次リーグも突破した。スピード感溢れる試合展開と緩急自在のテクニックの応酬というだけでなく、イケメンぞろいという事も人気急上昇の要因だ。土井はユニークな映像を発信し続けるTikTokerとしても知られ、ハンドボール普及に貢献している。
トレーディングカードでもBBM「Infinity」などにサインカードが封入されてきたほか、かつて、日本代表セットも発売されたこともある。アバロに続き、世界的なスター選手の来日が続くようなことになれば、ラグビーの「JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(ジャパンラグビーリーグワン)」のようにリーグ戦だけでなく、トレカも盛り上がるかもしれない。アバロのプレーにはトレカ界も注目している。
Mickey(ライター)
高校時代に米国留学し、トレカにはまる。NPBは千葉ロッテのファンで、自宅から往復4時間かけて幕張まで通う。野球を含めた4大スポーツ以外の競技にも詳しく、オールスポーツカードも収集。