MLB大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)のア・リーグ最優秀選手(MVP)選出が11月18日、発表された。日本人選手ではイチロー(シアトル・マリナーズ)以来20年ぶりで、満票の選出は日本人初、2015年のブライス・ハーパー外野手(ワシントン・ナショナルズ、現フィラデルフィア・フィリーズ)以来6年ぶり、史上19人目の快挙となった。ナ・リーグMVPにはそのハーパーが選ばれた。
メジャー4年目の今季、大谷は打者としてリーグ3位の46本塁打を放つなど、155試合に出場して打率.257、100打点、103得点、OPS.965。26盗塁もマークした。登板前後の休養日を撤廃し、初めて規定打席に到達するなど成績を一気に伸ばした。投手では23試合登板して9勝2敗、防御率3.18を記録。156三振を奪った。
全米野球記者協会の中でも選ばれた記者による投票で、 1位票30で420ポイントを獲得。2位の本塁打王ブラディミール・ゲレーロ・ジュニア(トロント・ブルージェイズ)は232ポイントで大差をつけた。2001年MVPのイチローは289ポイントで2位のジェイソン・ジオンビー(アスレチックス)とは8点差と接戦だっただけに、大谷の「圧勝」ぶりがわかる。
最終候補にノミネートされたゲレーロ、マーカス・セミエン内野手(トロント・ブルージェイズ)とともに中継で結ばれた授賞式では、かつてのMVP、フランク・トーマスさん(シカゴ・ホワイトソックスなど)にその名前を呼ばれると、大谷は静かにほほ笑んだ。「たくさんの試合に出られたのが一番かなと思う。トレーナーの方とか、怪我を明けてからいっぱい支えてもらった。そこが一番かなと思います。自分が成長できるのを楽しみにしています。すごく嬉しいです。支えてくれたみなさんに感謝しています」と大谷らしく、話した。
これで「8冠」。これまでに選手間投票による年間最優秀選手とア・リーグ最優秀野手、7年ぶりの選出となったコミッショナー表彰を受賞。打撃のベストナインに相当するシルバースラッガー賞のDH部門でも選ばれた。さらに、米誌「ベースボール・アメリカ」の年間最優秀選手、「ベースボール・ダイジェスト」の野手部門最優秀選手、米メディア「スポーティング・ニュース」の年間最優秀選手にそれぞれ選出されている。先発投手と指名打者の2部門で最終候補入りしている「オールMVPチーム」は23日に、ア・リーグの最優秀指名打者に贈られる「エドガー・マルティネス賞」は29日に発表される。表彰ラッシュはまだ続きそうだ。
今回のMVP受賞の反響は予想以上に大きかった。この夜、東京タワーはエンゼルスのチームカラーである赤にライトアップされ背番号「17」が浮かび上がった。
受賞決定前から、大谷グッズへの関心も高まり、MINT各店ではテレビ番組「ズームインサタデー」、「モーニングショー」、「ミヤネ屋」などから取材が殺到、20日発売の「スポーツニッポン」などスポーツメディアも取り上げた。
大谷がプレーオフに出場しなかったことで、沈静化していた大谷のトレーディングカード。オークションなども飽和状態で来季の開幕までは「売り時」ではなく「買い時」と見られていたが、ユニフォーム等の関連アイテムも多数、売り切れている、という。これまで、トレカに関心のなかったファンもワイドショーなどでその存在が紹介されることで興味や関心を持ったこともあるだろう。
ミントでは各店舗の店頭、MINTモールでまだ、在庫を持っているが、問い合わせも多い。オフに人気が再燃するとは、今季の「ショーヘイ・オオタニ」はやはり、すごかった。
トレカジャーナル編集部