NPB北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督が12月6日に放送された人気テレビ番組「しゃべくり007」(日テレ系)に出演した。就任後、初のバラエティ―番組出演となった「ビッグボス」は「もう選手ではないので、サインはしません」と宣言した。トレーディングカード業界、コレクターにとっては衝撃的な発言となった。
「しゃべくり007」は新庄監督にとっては縁がある番組だった。2008年の第1回にゲスト出演。就任後の初バラエティーには「しゃべくり007」を逆指名した、という。真っ赤なジャケットで登場した新庄監督はスタートからエンジン全開。就任会見でのウラ話として、会見冒頭での球団社長とのボケと突っ込みが打ち合わせ通りだったこと、高すぎる襟が実は発注した仕立て屋さんのミスで4センチ高くなっていたことなどを暴露。スタジオは大爆笑に包まれた。
そして、「ボクはサインはしないんですよ。サインはもうしません」の爆弾発言が飛び出した。阪神タイガーズ時代に、ロッカールームに毎日、積まれていた300枚を超える色紙にサインをしているうちに腱鞘炎になったことで、サインにトラウマがある、と明かした。2006年の現役引退後、恩師である野村克也監督からサインを頼まれた時の様子を物まねで披露し、再三のお願いにも「一般人なのでサインしません」と断固として断った、という。
来年からは「ボール用と色紙用にスタンプを用意します」と話し、その場でスタンプを押すことでファンサービスを実施する考えを明らかにした。それでは、ファンやコレクターが期待するトレカへのサインはどうなるのか?。直筆サインはないとしても、箔サインはあるのだろうか?。いや、それだけは実現してほしい。
ちょうど1年前、このトレーディングカードジャーナルのコラムで幻の直筆サインが5万円!SHINJOカードの夢もまだ終わらない」でBBM「‘96阪神タイガース・コレクション」に封入された直筆サインカードを紹介した。その時も触れたのだが、新庄監督の直筆サインカードは極めて珍しい。NPB時代、「オフィシャルな」直筆サインカードと言えば、球団公認のイベントなどでペンを走らせたもの。ほかはプライベートサインだった。
⇒ コラム「幻の直筆サインが5万円! SHINJOカードの夢も終わらない!」はこちらから
箔サインのカードを除けば、パック(セット)から出現するサインはこのBBM「‘96阪神タイガース・コレクション」ぐらいでほとんどなかったはず。MLB時代も、ベケットのプライスガイドにルーキーイヤーの2001年版「アッパーデック」のシリーズ2で「Tsuyoshi Shinjo Autograph」の記載があったが、真偽は確認されていない。現役引退後は、前述の通り、プライベートサインでさえ、存在しない。
指揮官に就任してから、数々のユニークな発言や行動で早くもファンのハートをつかんだビッグボス。直筆サインがないのは寂しいが、元メジャーリーガーだけにファンサービスの大切さもわかっているはず。トレカについても、周囲をあっと驚かす、これまでにない画期的なSHINJO流のアイデアが飛び出すのか?。来年のトレカが気になる。
Cove(ライター)
国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。トレカはレギュラーカードのコンプリートと、日本人メジャーリーガーが中心。日本で唯一のバブルヘッドライター(自称)。元スポーツ紙ライター。