MLBは野球カードの定番、TOPPS「2022 Topps Series 1」がすごかった。発売前から大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)が栄誉あるカード番号1番に選ばれたことやボックス、パッケージに大谷の写真が使用されることが発表された。発売前から、カードショップには入荷に関する問い合わせが殺到。発売日に開店前から購入希望者の列ができた店舗もあった、という。
「テレビ、とくに地上波でニュースとして大谷のカード番号1番が取り扱われたことが大きかった」とミント関係者。大谷のルーキーイヤー=2018年に続く「大谷バブル」と言えそうだが、生粋のコレクターが狙ったのは、ワンダー・フランコ内野手(タンパベイ・レイズ)のルーキーカードだった。昨季、ついにMLBデビューを果たしたナンバーワンプロスペクトにとって初めて「RCロゴ」が入ったカードが封入。サインカードにも「RCロゴ」が入ったこともあり、人気に拍車をかけた。
NPBの新商品では「東北楽天イーグルス 2022 1stバージョン」が注目を集めた。楽天球団のオリジナルカードは現在では、数少なくなった直書きサインカードが出現するブランドとして、ファンだけでなく、コレクターからも関心を集めた。ルーキーのサインが封入される予定の「2nd」も面白い存在になりそうだ。
そしてドラフト指名されたルーキー選手をいち早くGET出来る定番アイテムBBM「2022 ルーキーエディション」も各店で人気を集めた。三浦大輔監督の現役時代の背番号18を引き継いだ小園健太(横浜DeNA)や、その小園と市立和歌山でバッテリーを組んでいた松川虎生(千葉ロッテ)、大学No.1投手として4球団から指名を受けた隅田知一郎(埼玉西武)など、注目ルーキーが数多く収録されている事も好調なセールスに結びついている要因と言えそうだ。
野球の新商品が少なかった2月は、サッカーとバスケットボールが元気だった。
サッカーはPANINI「2021 Immaculate Collection Soccer」が1ボックス15万円前後の超高級ブランドながら、発売から間もなく完売する店舗が続出。美麗なパッチカードが人気の商品だが、クリロナ、メッシ、ベッカムらのスーパースターのカードが封入されたことに加え、カブリエウ・マルティネッリ(アーセナル)のルーキーオートを引き当てようとコレクターは奔走したようだ。
バスケットボールはPANINI「2021-22 Donruss Basketball」と「2021-22 Donruss Elite Basketball」が売れた。「Donruss」と言えば、旧「Donruss」時代から多種多彩なインサートが人気だった。さらに、そのブランドで、PANINIはTOPPSよりインサートを作るのがうまい、という定評を証明した。「Donruss」は「Next Day」、「Donruss Elite」は3D仕様の「Next Up」と「Pass and Present」がとくにコレクター心をくすぐった。「Donruss」はサインカードの「パルサー」と呼ばれる放射線デザインのパラレル、定番の「Rated Rookie」デザインもよかった。
ほかのスポーツでは、プロデュース216の「ロコ・ソラーレ~軌跡~オフィシャル・スリートカード」が発売と同時に完売。北京五輪で悲喜こもごもののドラマの末、銀メダルに輝いたメンバーのカードセット。五輪直後に発売される、というタイミングの良さもあった。
BBM「惜別」は、亀井義行外野手(巨人)、松坂大輔投手(埼玉西武)のサインカードは封入されなかったが、大相撲・白鵬翔の31枚限定直書きバイバックをはじめ、ラグビーの福岡堅樹、体操の村上茉愛、競馬の蛯名正義ら、オールスポーツカードにふさわしいサインが封入された。
ゲームカードではMTG「神河 輝ける世界」がブレーク。店舗でMTGの大会も開催するミント横浜店の五十嵐直樹店長によると「ミント史上最高に売れた」というほどの売れ行きだった。その理由は、「北斗の拳」などで知られる原哲夫さんら3人の日本人イラストレーターが起用されたこと。ミント横浜店では、購入者がその原哲夫さんの20枚限定サインのレデンプションカードを引き当て、大いに盛り上がった。
トレカジャーナル編集部