MLBの開幕延期が決まった。新労使協定を巡るMLBのオーナー側と選手会の交渉が3月1日、フロリダ州ジュピターで行われたが、合意せず、3月31日の公式戦開幕が延期され、試合数も162試合から削減されることになった。
ロブ・マンフレッド・コミッショナーが交渉後、開幕予定だった3月31日から最初の2カードを中止することを発表した。代替試合は行わない。
オーナー側は、3月31日に開幕できるデッドラインを前日の2月28日からこの日の米東部時間午後5時まで延長。9日連続の対面交渉となったこの日午後、調停前の選手へのボーナスプールを3000万ドル(500万ドル増)、最低保証年俸を70万ドル(2万5000ドル増)から順次1万ドル増とする一方、ぜいたく税の対象額は前回提示額から変更しない案を提示した。
だが、選手会の提示案との差は大きく、交渉は決裂した。米メディアによると、選手会のメンバーは、全会一致で最終提示を拒否することで合意した。旧協定が失効した昨年12月2日に、オーナー側はロックアウトを宣告。選手との契約更改、移籍交渉も止められ、NPB広島東洋からポスティングでMLBを目指す鈴木誠也外野手の交渉も進んでいない。
1月中旬に直接交渉を再開したが、合意には至らず2月中旬にスタートする予定だった春季キャンプとオープン戦も3月8日まで延期されている。この3月8日もこのままなら、ずれ込む見込みだ。オーナー陣と選手会の交渉は、早ければ3日にもニューヨーク市内で再開するが、これ以上の開幕延期=ファン離れだけは避けたいという思いは双方ともに同じだろう。
鈴木の移籍先との交渉の行方も気になるが、MLBのトレーディングカードの今後も心配される。すでに、TOPPS「シリーズ1」は発売され、カードナンバー#1に選ばれた大谷翔平投手(ロサンゼルス・エンゼルス)の人気もあり、国内のショップでは爆発的な売れ行きを見せている。「シリーズ2」や「アップデート」には開幕後のプレー写真が使われるだけに、開幕が遅れれば遅れるほど、使える写真が減ってしまう。今回の「シリーズ1」では今季からチーム名が「インディアンス」から「ガーディアンズ」に変わったクリーブランドの選手のユニホームがCGで作られる苦肉の策も取られたが、本物のガーディアンズユニホームのカードも見たいところだ。
トレカジャーナル編集部