MLBトロント・ブルージェイズの加藤豪将内野手が4月21日、ボストン・レッドソックス戦に「8番・二塁」でメジャー初先発した。第1打席で四球を選び、先制のホームを踏んで自身初得点を記録した。
今季、初めて開幕メジャー入りを果たし、代走として2試合に出場していた。背番号29が初打席に立ったのは3回表。フルカウントから四球で出塁。1死後に1番・タピアの中前安打で二塁へ進み、続くビシェットの右前適時打で生還した。試合は3‐2でブルージェイズが逃げ切り、加藤の得点が決勝点となった。
5回表の第2打席は二塁ゴロ。7回表の打席では代打を送られ、初安打は持ち越しとなった。それでも、守備で魅せた。二塁ゴロをバックトスでさばき、遊撃・ビシェット、一塁・ゲレーロと日本のファンにとっても夢のような併殺を完成させた。
2013年のMLBドラフトでニューヨーク・ヤンキースから2巡目で指名された。昨春にはサンディエゴ・パドレスの春季キャンプに招待選手として参加し、オープン戦で巧打を見せたがシーズン中もメジャー昇格はなかった。今年がMLB傘下でプレーして10年目。大谷翔平投手(ロサンゼルス・ドジャース)、鈴木誠也外野手(シカゴ・カブス)とは同学年だが、ルーキーイヤーから活躍するふたりとは対照的に苦節10年の苦労人と言える。
トレカジャーナルでも昨年3月に加藤のメジャー昇格の可能性とトレカを紹介した。こちらは1年越しで、現実のものとなった。
「マイナーで9年間やっていると、いろんな球場、いろんな観客、場面で打席に立っている。観客がマイナーの10倍いるだけで、実際のフィールドでの試合は同じ。2、3週間打席がなくても、ボールを見分ける、手を出さない、ストライクを振るっていうことだけ。(自分の初得点)それが大事な1点だったのですごく満足している」と福山雅治に似た声で淡々と話す姿がまた、カッコよかった。
加藤のルーキーカードはPANINI「PRIZM DRAFT PICK」やLEAF「TRINITY」のほか、TOPPSも発行。「BOWMAN」「BOWMAN CHROME」「BOWMAN DRAFT」「BOWMAN STERLING」「PRO DEBUT」など、加藤に対する期待の高さから、数多くのブランドに収録された。ネットオークションの「eBay」では昨春に続き、出品数も落札額も上がり始めている。
トレカジャーナル編集部