MLBで初めて女性が、一塁ベースコーチとして出場を果たした。サンフランシスコ・ジャイアンツのアリッサ・ナッケンアシスタントコーチが4月12日、対サンディエゴ・パドレス戦に登場。3回にアントワン・リチャードソンコーチが退場となり、その代わりに一塁コーチを務めた。
ジャイアンツにとってはビジターのオラクル・パークだったが、3回表、一塁コーチスボックスに立った見慣れないコーチに大きな拍手が送られた。背番号92にかかる、長い髪の毛をまとめたポニーテール。一塁を守るエリック・ホズマー内野手は握手で出迎えた。MLB初の女性一塁ベースコーチが誕生した歴史的な瞬間だった。攻撃が終わり、ベンチに戻るとチームメイトからハグで祝福された。
29歳のナッケンコーチはMLB史上初のフルタイムでのアシスタントコーチ。「あの瞬間のためにここまでやってきた。私が出場するか、分からなかったけど、チームがああいう状況だったので、いつでも出られる準備はしていた」と胸を張った。
大学時代はサクラメント州立大でソフトボールをプレーした。一塁を守り、184試合に出場し打率.304、19本塁打。守備率は.992だった。大学卒業後、ジャイアンツのインターンに。同時にサンフランシスコ大でスポーツマネージメントで修士号を取得した。フロントで裏方としてチームに貢献してきたが、1月にアシスタントコーチとして、MLB女性初のフルタイムのコーチに採用された。
先日、史上初めて大リーグ傘下球団での女性指揮官となったタンパ・ヤンキース(ニューヨーク・ヤンキース1A)のレイチェル・バルコベック監督が開幕戦に勝利した。バルコベック監督は20年から、ヤンキースのマイナー巡回打撃コーチに着任し、今季からマイナー監督に就任していた。また、シカゴ・カブスではレイチェル・フォールデン女史が打撃研究所の主任とルーキーリーグのコーチに起用されている。現在、MLB球団に所属する3人の女性指導者はいずれもソフトボール出身という共通点がある。
TOPPS社のオンデマンドカード「Topps Now」はバルコベック監督の初陣をトレカにしたばかりだが、今回のナッケンコーチの史上初の快挙もトレカになった。「Topps Now」は期間限定販売で申込数しか制作されない。バルコベック監督のカードは5423件の申し込みがあった。大谷翔平投手の史上初の開幕戦「1番・投手」としての出場を記念したカードが5340件の申し込み数だっただけに、その人気の高さがわかる。ナッケンコーチのカードにはどれだけの申し込みがあるのだろうか?
トレカジャーナル編集部