元プロレスラーの馳浩さんが石川県知事選に当選した。
すでに、知事として公務に奔走している馳知事は文科相などを歴任。1995年の参院選石川選挙区に無所属で初当選し、その後、自民党入党。2000年には衆院選で初当選し、06年に現役引退するまでプロレスラーとしてもリングに上がりつつ、衆参両院議員を通算約27年間、務めた。
当選時には、「県民の命を守ります。世界からも石川を理解してもらって好きになってほしい」と話した馳知事。今後の県政が楽しみだ。今回の馳知事だけでなく、スポーツ界から政界に転出したアスリートは多いが、プロレス界にも多い。となると当然、カード化されている議員も多い。
何と言っても「元祖」は、アントニオ猪木だろう。1989年にスポーツ平和党を結成し、同年の参院選の比例区で当選。初のプロレス出身の国会議員となった。イラクで「スポーツと平和の祭典」を開催し人質状態だった在留日本人らの解放に貢献したほか、北朝鮮でもイベントを開催した。07年にスポーツ平和党は解散したが、2013年の参院選に日本維新の会から比例代表で出馬し当選。国政に復帰した。
2001年には大仁田厚が参院選に自民党から出馬し、当選した。「当選したら、猪木と戦う」と選挙公約を掲げていた。この選挙にはリングの上でもライバルだった佐山聡が自由連合から立候補したが、佐山は落選した。2006年には参議院自民党副幹事長に就任するなど存在感を見せた。
「プロレスを引退したら国会議員になって日本の役に立ちたい」と話していた神取忍は2004年の参院選で自民党公認で出馬。次点で落選も、06年に竹中平蔵さんが辞職したことで自民比例代表選出議員に欠員が出たため、繰り上げ当選した。本名の神取しのぶに代えて「神取忍」のリングネームを議員氏名として使用することを申請し認められた。参議院の環境委員会では米海軍厚木基地からの汚水流出事故について、迫力の質問を行った。
国会議員以外では、西村修が2010年、全日本プロレスを休業し、国民新党公認候補として衆院選に出馬したが落選。翌年、東京都文京区議会選に立候補し初当選した。癌を患ったが、化学療法を用いず、日本古来の穀物を中心にした食生活に変えたことで克服した経験から、文京区では西村が中心になった活動から「和食推進の日」を制定。毎月1回、和食とお茶を子供たちに提供している、という。2019年には3選を果たした。
ほかにも、2003年に岩手県議選に当選し、覆面議員として話題になったグレート・サスケらがいる。
プロレスのトレカと言えば、定番人気ブランドのBBM「女子プロレスカード」の2022年版が発売されたばかり。この中から、将来、政界にチャレンジするレスラーが現れるかもしれない。
Mickey(ライター)
高校時代は米国留学、社会人になってからイタリアのローマに駐在経験あり、とグローバルなライター。留学先でトレカにハマる。応援するNPBチームは千葉ロッテマリーンズ。