今季から再編されたラグビーのリーグワンは5月29日、決勝で埼玉ワイルドナイツが東京サンゴリアスを18‐12で下し、初代王者に輝いた。埼玉は昨季までのトップリーグ時代を含め、2年連続、通算6度目の優勝となった。
リーグワン初の開催となった、国立競技場には3万3604人が詰めかけた。埼玉にとっては今季を象徴するような試合だった。前半14分にSO山沢拓也のPGで同点に追いつくと、同22分には再び、山沢のPGで勝ち越し。前半だけでトライの取り消しが2度、PG失敗も2度と思うように加点できなかったが、7点リードして折り返した。
後半は東京SGの「微笑の貴公子」FBマッケンジーに立て続けに2PGを決められ1点差に迫られるなど、押され気味の展開。それでも、後半33分、CTBディラン・ライリーがタックルを受けながらも右手を伸ばして、リーグ初代トライ王を決定つけるトライ。最後は山沢のジャッカルで勝利を手繰り寄せた。
昨季、「パナソニック」として、トップリーグ最後の頂点に立った埼玉は、昨年8月に活動拠点を群馬県太田市から埼玉県熊谷市に移した。フッカー堀江翔太ら代表クラスの選手がそろうリーグでも屈指の戦力にふさわしい練習環境を整え、ソフトとハードの両面で優勝候補に挙げられた。
だが、開幕から2試合は新型コロナウイルスの影響で不戦敗。まさかのスタートとなったが、第3節からレギュラーシーズン14連勝を飾ると、プレーオフでも勢いは止まらず。旧「クボタ」の東京ベイ、旧「サントリー」の東京SGに連勝した。「笑わない男」として知られる、プロップ稲垣啓太は「初代は特別感がある。一発目に優勝することがすごく価値がある」と胸を張った。
ワールドカップ開催時には盛り上がるラグビーのトレーディングカードだが、通常の国内リーグでも根強い人気がある。残念ながら諸事情により、リーグワン初年度にはトレカ商品は作られなかった。今年後半のオールスポーツカードや、来年の新シーズンにはラグビーの新カードが登場することを期待したい。
トレカジャーナル編集部