ゴールデンウィークに、日本人メジャーリーガーのストレイジボックスのフタを久しぶりに開けてみた。日本人投手のサインカードの中でもユニークさでは秀逸なのが、高津臣吾(シカゴ・ホワイトソックス)と大塚晶則(サンディエゴ・パドレス)のコンボサインである。
どう見てもバランスがおかしい。高津が勘違いして真ん中に自分のサインを書いて、後から大塚が隙間にサインを書いたのか?大塚が先に小さく自分のサインを書いて、後から高津が開いている中央のスペースにサインを書いたのか?その真偽はわからないが、高津が「大丈夫」、大塚が「よっしゃー」と言ったことだけはありえない。
その「よっしゃー」だが大塚はインスクで書いているカードがある。日本人投手カードはインスクも面白い。鈴木誠(カンサスシティ・ロイヤルズ)はインスクで「KOBE」と書いた。兵庫県神戸市須磨区出身の鈴木だが、その後、2002年のドラフト2巡目でオリックス・ブルーウェーブから指名を受けて入団した。オリックスは2004年まで兵庫県がフランチャイズで本拠地はグリーンスタジアム神戸だった。
「よっしゃー」はひらがなだったが、日本人カードの日本語も人気がある。上原浩治(ボルチモア・オリオールズ)の入団会見の写真を使ったサインカードはローマ字と日本語である。前述の高津、大塚も同じカードでローマ字と日本語の2パターンがある。
米国人の中には日本語に興味を持っている人が多いようだ。米国に駐在してMLBを取材していた当時、3年間で3人、つまり、年間でひとりのペースで、腕に漢字のタトゥーをしているカードショップのスタッフから「オレの名前は漢字でどう書くんだ?」と聞かれた。エドさんには「江戸」と教えてあげた。
しかし、日本語にまったく興味のない人のほうが多いのは間違いない。吉井理人(コロラド・ロッキーズ)のプリントサインは漢字がさかさまである。
さらに、井川慶(ニューヨーク・ヤンキース)の日本語のプリントサインの中には「井」が抜けて「川慶」としか、ないものがある。「井」が「#(シャープ)」と勘違いされたのだろうか?。井川の日本語サインは、阪神タイガース時代と同じ縦書きで、横書きの多いサインのスペースには似合わないのも井川のこだわりがあって、面白い。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。