メッシのルーキーカードに3700万円、コービーのルーキーカードに2800万円、ハミルトンのルーキーカードに3700万円…ミントの出品代行サービスを通じて日本から「Goldin Auctions」に出品されたカードにものすごい落札額がついている。トレカジャーナルの記事で伝えても、それは夢のような話でまったくの他人事だった。
ストレージボックスを整理していて、突然、自分のコレクションがどんな評価を受けるのか、気になってきた。そこで思い出したのが「Goldin Auctions」である。
トレカを収集し始めて30年あまり。日本のネットオークションに出品したことはあったが、米国=世界を相手にしたことはない。スポーツ紙の記者時代、ドジャースタジアムの記者席で、時差ボケで居眠りをしている姿をバックスクリーンの大型ビジョンに映し出されて、スタンドの観客にウケたぐらいである。
「MINT LAB TOKYO」に連絡すると、出品したいトレカの写真を撮って、送って欲しい、と言われた。どのカードを出品するのか、出品できるのか、これが最初の関門である「Goldin」と言えば、NBAのカードに高い落札額がついているイメージがあったが、ボクは持っていない。今、勢いのあるF1のカードもない。子供が集めていたポケモンカードは高騰する前に燃えるゴミで袋に詰め込んで断捨離してしまった。となると、野球カードで勝負するしかないので、イチローのルーキーカードを中心に10点ほど画像を送ってみた。
すぐに、丁寧で細かい内容の返信が帰ってきた。送ったカードはご自分の手間を省いて安心を得る、売却を急ぐならミントで買取に出す、そうでないなら国内のネットオークションに出品したほうがいい、というアドバイスだった。1枚だけ「レアなカードですが、状態がよくないので、やめたほうがいい」と教えてくれた。まさに「井の中の蛙」である。マイコレクションは自慢でも、他人から見ればそれほどではないものである。そういうことをきちんと説明してくれる人と出会えることはなかなかない。
返信の最後に書かれていたのが「あのジーターを出品しないのですか?」という一文だった。「あのジーター」とは、デレク・ジーター(ニューヨーク・ヤンキース)の「1996 Select Certified」の「MIrror Blue」のこと。2年ほど前に、ジーターのファンであるスタッフとお話をした際に、このカードを持っていることを告げたことがあった。その時に「米国のネットTVでジーターの特集番組を制作中なので、放送されればジーターのカードの市場価格はかなり上がりそう」と話していた。
聞けば、ジーターの特集番組「ザ・キャプテン」の放送が決まった、という。今、出品を依頼すれば、ちょうどタイミングがいい。そこで、このカードで出品代行サービスをお願いすることになった。
郵送で申し込みも可能だが、ここは直接、「MINT LAB TOKYO」の店頭で申し込むことにした。スタッフにあらためてカードを鑑定していただき、サーフェイスに若干、難があるのでPSAの評価がどうなるか、と心配された。
このカードは過去に2回、「Goldin Auctions」に出品されており、2018年12月にはPSA9が9,206ドル(約100万円)、2020年2月にはPSA10が37,200ドル(約400万円)で落札されている。
それでも予想額を聞いて驚いた。「100万円はつくんじゃないでしょうか?」と言われた。
ひゃ、ひゃ、ひゃくまんえん?。このカードは米国滞在中にパックで自引きしたもので、あまりに綺麗な輝きだったのでスクリューダウンに入れて保管していたもの。そんなに高い評価で売れたら、こんなにうれしいことはない。もちろん、高い落札額も魅力的だが…。
「Goldin Auctions 代行申込書」に必要事項を記入。注意事項が記載されたもう1種の「代行申込書」にカードの詳細を書くだけ。この時点で料金は発生しない。ここに、申請金額として「1,000,000円」と記入した。スタッフからの説明を聞き、コピーを控えとして受け取る。あっという間に手続きは終わり、ジーターに別れを告げた。
「MINT LAB TOKYO」では、依頼されたカードがある程度、まとまった時点で米国の「Goldin Auctions」に保険をかけて送る。「Goldin Auctions」で、出品可能か、鑑定して、PSAにグレーディング鑑定をかける。残念ながら「Goldin Auctions」からの鑑定依頼でも忖度はない。すでに、PSAやBGSで鑑定済みのものはそのまま、出品を待つ。
「Goldin Auctions」ではいくつかの種類のオークションを随時、開催しており、出品のタイミングは「Goldin Auctions」任せだが、待つ時間も楽しみだ。
ここまでで感じたことは、申込み自体はいたって簡単。スタッフをはじめ、親身になってアドバイスを送ってくれるスタッフとのコミュニケーションが大切、ということ。さすがはGA公認の出品代行サービスである。
出品代行サービスを申し込んでから、約2週間。米国へ向けて発送された知らせをSNSで確認した。
※落札額はバイヤーズプレミアム込み。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。