チェイス・アンリ(サッカー)
ドイツ1部、ブンデスリーガのシュトゥットガルトと2022-23シーズンからの長期契約を結び、U-21チームに加入することを発表した。尚志高を卒業したばかりの18歳は、3月にはパリ五輪世代のU-21日本代表候補トレーニングキャンプにも参加した。2週間のトライアウトトレーニングを経て正式契約。まずは、レギオナルリーガ(ドイツ4部相当)に所属するセカンドチームでプレーしてから、トップチーム昇格を目指す。。尚志高での入団会見では「本当にすごく嬉しくて実感も湧かなくて、『本当に大丈夫なのかな』と思った」と驚きを口にした。シュトゥットガルトにはMF遠藤航とDF伊藤洋輝が所属する。ふたりの存在も入団の決断の理由として挙げた。昨夏にジュビロ磐田からシュトゥットガルトに加入した伊藤も、当初はセカンドチームでプレーする予定だったが、プレシーズンでの活躍でシーズン序盤もトップチームに帯同し、そのままレギュラーポジションを奪取しただけに、大型CBの今後に注目だ。
村田諒太(ボクシング)
世界ボクシング協会(WBA)ミドル級スーパー王者は4月9日、国際ボクシング連盟(IBF)ミドル級王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)とさいたまスーパーアリーナで2団体王座の統一タイトルマッチを戦った。壮絶な打ち合いを展開するも、9回TKOで敗れ、2度目(通算3度目)の防衛に失敗。日本人ボクサーで初のミドル級王座統一はならなかった。2回にはボディーブローで相手の動きを止め、3回には終盤の連打でふらつかせた。だが、7回からロープを背負って連打を浴びた。9回に右の強打を浴びてダウンを喫すると、村田陣営がタオルを投入した。日本人ボクサーで初の「五輪金メダリストの世界王者」と、強豪がひしめくミドル級の歴代最強王者との大一番は、両者のファイトマネー合計額が20億円を超えると推定されたが、それ以上にその試合内容は日本ボクシング史に残るビッグマッチとなった。村田のプロ戦績は16勝(13KO)3敗。
藤波朱理(レスリング)
ウランバートルで4月22日に行われたレスリングのアジア選手権、53キロ級で初優勝した。昨年の世界選手権を制した18歳は、全てテクニカルフォール勝ちで、中学生時代の2017年9月から続く公式戦の連勝を97と延ばした。次は6月の明治杯全日本選抜選手権(東京・駒沢体育館)で、2024年のパリ五輪の代表を勝ち取るには倒さなければならない志土地らと対戦する。「志土地さんはもちろん53キロ級は強い選手が多い。研究もマークもされると思うが、毎日進化していきたい」と気を緩める様子は全くない。あどけない笑顔も人気上昇中の藤波だが、マットに上がれば勝負師の顔になる。「全部勝てるようにしたい」このギャップもトレカで見たい。
小林あか里(自転車)
静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターの5kmサーキットで4月10日に開催された第45回チャレンジサイクルロードレースの女子エリート(WE)で優勝を飾った。ラスト1周の時点で5人にまで絞られた先頭集団で、ラスト100mのコーナーでアタックをかけ、そのまま単独でゴールラインを駆け抜けた。この日は21歳の誕生日でバースデーVに「本当にうれしいです」と笑顔がはじけた。パリ五輪はマウンテンバイクでの日本代表を狙うが、自身の強化策としてロードレースとの二刀流にも挑戦している。「6月の全日本選手権でも優勝したい」栄冠へのペダルを踏み続ける。
谷口将隆(ボクシング)
東京・後楽園ホールで4月22日に行われた世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級タイトルマッチで石沢開に11回2分29秒、TKO勝ちを収めて初防衛に成功した。序盤から足を使い、的確にパンチを当てた。11回に左の強打を顔面に打ち込み、決着をつけた。石沢は前日計量で体重超過して挑戦者の資格を失い、この日の計量で制限より3キロ以内なら試合自体は実施との条件をクリアした。試合後、リング上で謝罪する石沢に「ノーサイド。もう謝らなくていい」と答え、男をまた、上げた。戦績は19戦16勝(11KO)3敗となった。
戸上隼輔(卓球)
卓球の全日本選手権でシングルス王者となった20歳が来季、ドイツ・ブンデスリーガに参戦する方向であることが分かった。ブンデス1部の名門クラブと契約に向けて交渉を進めている、という。昨季は琉球アスティーダに在籍するなどTリーグで4季プレーしており、海外リーグ挑戦は初となる。24年のパリ五輪へ試練の道を選んだ。日本代表選考は、国内選考を重視され、来季から2シーズンのTリーグにも選考ポイントが付与される。今秋に開幕するブンデスリーガでは他のリーグとの掛け持ちを禁じているため、Tリーグには参戦できない。選考レースの面では不利になるが、海外勢との実戦経験を増やし、現在66位の世界ランクを上げ、国際大会への参戦機会を確保することで自身を強化する狙いがある。明大のチームメートの宇田幸矢がブンデス1部のケーニスホーフェンと契約し、張本智和も欧州CL参戦を決めたことも影響を受けた。卓球の腕を上げるだけでなく、トレカ映えするイケメンが精悍さもアップさせそうだ。
堀米雄斗(スケートボード)
ZOZOマリンスタジアムで4月24日で行われた「Xゲーム・千葉大会」のスケートボードのストリート男子決勝で優勝した。東京五輪の金メダリストは2019年ミネアポリス大会以来、自身2度目のタイトル獲得。「五輪は無観客ですごくさびしかったが、色んな人が見てくれて、新しいトリックも決められて楽しさを伝えられたかなと思う」とスタンドに集まった観客にメッセージを残した。日本初上陸のアクションスポーツの祭典で、舞った。決勝1本目からレールを使った難易度の高いトリックをも決めて、トップに立った。2本目もノーミスでルーティン。ライバルも板をたたいて賛辞を送った。降雨で3本目は中止となり優勝が確定したが、正式にアナウンスされる前に、他の選手たちから握手やタッチを求められた。「(日本でのXゲームで)緊張するが、色んな人が見に来てくれてうれしい。スケートボードの楽しさが(観客も)じかに分かる」と前日の予選で話していた23歳はすでにレジェンドの貫録さえ感じさせた。
斉藤立(柔道)
日本武道館で4月29日に行われた柔道全日本選手権で初優勝した。ロス、ソウル五輪連覇の故・斉藤仁さんの次男で、親子2代での全日本制覇は史上初。191センチ、165キロの体格を生かし、準決勝では東京五輪100キロ超級5位の原沢久喜に反則勝ち。21年の世界選手権優勝の影浦心との14分を超える決勝は、足車で技ありを奪った。12歳、中学1年だった時、父は肝内胆管がんで息を引き取った。20歳、大学3年生で日本一になった。石井慧、山下泰裕に次ぐ歴代3位の年少Vにも「父がいたら握手の後、すぐ課題を言われたと思う。褒めてくれないはず。五輪で優勝しないと肩を並べられない。慢心したら先には進めない」と表情は厳しかった。世界選手権の代表にも初選出。パリ五輪も見えてきた。
トレカジャーナル編集部