「トレーディングカードのモナリザ」こと、ホーナス・ワグナーのT-206をはじめ、たばこのおまけだった時代のトレカのサイズは3.25cm×7cm。今では、TOPPS「Allen & Ginter」に封入されているミニサイズカードがそれに当たる。そんなサイズのトレカは日本では、かつてのメンコで再現されていたが、2003年にこのサイズのトレカ制作に挑戦した商品があった。
株式会社トップ商品が作った「阪神タイガース 優勝納豆」である。150円(税込み)のミニボックスにカード3枚と、フリーズドライの「乾燥納豆」8グラムを封入。就任2年目の星野仙一監督率いるタイガースが独走状態でペナントレースをひた走る中、関連商品が次々と作られる中、そのひとつとして登場した。特撮ものの食玩で有名な株式会社イワクラがプロデュースした、シガレットカードの姉妹シリーズ「Filmo Card」の第1弾だった、という。
カードは、専用バインダーが交換できるラッキーカードを含め、全80種類。タイガースに所属する1軍首脳陣と、ほとんどの選手がカード化された。ただし、肖像権の問題か、この年に加入した伊良部秀輝投手のカードはなかった。もちろん、阪神球団の承認を得ており、カードの裏面には選手データも記載された本格的なトレカだった。
関西地方限定で発売された。封入された「乾燥納豆」がしょうゆ味だったとはいえ、関西では納豆を好んで食べる人はいない、という認識があっただけに当時は、なかなか挑戦的な企画だと思った記憶がある。なぜ、阪神=納豆なのか。阪神のこの年のスローガンは「NEVER NENER SURRENDER!」。ネバー、ネバーとネバネバをかけた。さらにボックスの裏面には「今年の阪神は粘り勝ち!」の記載があった。
「優勝納豆」の商品名通り、18年ぶりの優勝を飾った阪神だが、日本シリーズでは福岡ソフトバンクホークスに3勝4敗で敗れ日本一を逃した。星野監督はシリーズ終了後に健康上の理由から勇退。「優勝納豆」は1年限りで姿を消した。商品名が「日本一納豆」だったら…。
【チェックリスト】
1 星野仙一
2 島野育夫
3 田淵幸一
4 佐藤義則
5 西本聖
6 和田豊
7 岡田彰布
8 長嶋清幸
9 達川光男
10 嶋田宗彦
11 前田健
12 トーマス・オマリー
13 谷中真二
14 藪恵壹
15 中村泰広
16 藤田太陽
17 安藤優也
18 トレイ・ムーア
19 杉山直久
20 川尻哲郎
21 金澤健人
22 吉野誠
23 江草仁貴
24 福原忍
25 井川慶
26 久保田智之
27 ルー・ポート
28 中林佑輔
29 三東洋
30 下柳剛
31 佐久本昌広
32 石毛博史
33 新井智
34 柴田佳主也
35 ジェフ・ウィリアムス
36 田村領平
37 岡本浩二
38 加藤隆行
39 梶原和隆
40 伊代野貴照
41 藤川球児
42 浅井良
43 野口寿浩
44 矢野輝弘
45 カツノリ
46 吉本亮
47 東辰弥
48 狩野恵輔
49 中谷仁
50 秀太
51 八木裕
52 沖原佳典
53 今岡誠
54 片岡篤史
55 藤本敦士
56 アリアス
57 広澤克実
58 久慈照嘉
59 斉藤秀光
60 上坂太一郎
61 関本健太郎
62 新井亮司
63 田中聡
64 梶原康司
65 萱島大介
66 中村豊
67 藤原通
68 金本知憲
69 喜田剛
70 桧山進次郎
71 濱中おさむ
72 曽我部直樹
73 林威助
74 平下晃司
75 桜井広大
76 赤星憲広
77 早川健一郎
78 松下圭太
79 的場寛壱
L-1 ラッキーカード トラッキー&ラッキー
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。