テレビ朝日は6月23日、人気ドラマ「相棒 season21」に俳優・寺脇康文が出演することを発表した。寺脇は、「相棒」がスタートした2000年6月から08年の「season7」まで、警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)の初代相棒・亀山薫を演じていた。「相棒 season21」は10月にスタートする。
寺脇は14年ぶりの「相棒」復帰となる。2008年12月に「season 7」の第9話で、高校時代の友の死をきっかけに、遺志を継いで南アジアの小国・サルウィンに移住し、杉下(水谷)とのコンビを解消した。その後、相棒は神戸尊(及川光博)、甲斐享(成宮寛貴)と続き、今年3月の「season 20」で公安調査庁への転職という形で「卒業」した冠城亘(反町隆史)へと引き継がれた。出演話数は寺脇より反町の方が多いが、出演年数では寺脇が8年6か月と歴代最長だった。
「役者人生の師匠と言っても過言ではない、水谷豊さん演じる『右京さん』と、また相棒として、夢のような時間を共にできることを本当にうれしく思っております」と寺脇はコメントを発表した。「仮面ライダー1号が帰ってきたように、相棒1号も帰って参ります! 今、流行り(はやり)の言葉にすると『シン亀山薫』でございます!」と続けた。
「相棒」は視聴率23.7%も記録したこともある、という。同じテレビ朝日ということもあるだろうが、報道番組の「スーパーJチャンネル」では寺脇復帰を発表した当日、トップでそのニュースを報じたほど、次の「相棒」役の俳優への注目度は高かった。
それにしても、いつも残念に思うのは、米国ほど、映画やドラマのトレーディングカードが日本オリジナルで作られない、人気がないことだ。MINT LAB TOKYOの田村亮一館長に聞いたところ、「費用対効果と販売エリアの違い」がその理由だと教えてくれた。
「スポーツ選手(球団、連盟)に支払う契約料と、映画やドラマの出演者をはじめとする各方面に支払う費用が比べ物にならないのです」米国では人気ドラマになると出演者には分刻みで何百万ドルものギャラが支払われるが、トレカを制作してもそれに値する市場価格が発生するのだろう。
そして「全米をはじめ、世界市場で公開される映画、放映されるテレビドラマはファンも多い。日本の映画は世界でも評価が高いが、テレビドラマは所詮、日本国内だけの放送で、視聴者もライト層で限られます。ただし、アニメだけは日本発の文化としてトレカの需要はありますが…」という。
かつて、世界的にも評価される黒沢明監督の映画カードが発売されたことがある。桐の箱に入っている、数万円する超高級版だったそうだ。
今年は、NHKの朝ドラ「カムカムエブリバディ」も大ヒットしたが、カード化の話はまったく、出なかった。過去の作品を集めた「朝ドラ」カードは売れるんじゃない?、などと妄想を膨らませたが、実現しなかった。NHKさんだから、だろうか、と思ったが日テレ系の「真犯人フラグ」カードも登場しなかった。そこで、「相棒」カードは作ってほしい。個性的なキャラも多い。「season」も多い。映画版もある。もちろん、ボクが欲しいのは鈴木杏樹が演じる「ついていない女」月本京子のサインカードである。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。