キックボクシングの那須川天心が6月19日、東京ドームでK-1の3階級王者・武尊と対戦し、5‐0で判定勝ちした。天心は、総合格闘技などを含む戦績を47戦全勝(32KO)とし、この勝利を最後にボクシングへ転向する。
「神童」と呼ばれ、ボクシング元世界5階級制覇のフロイド・メイウェザーともエキシビジョンマッチを行った天心と、K-1のカリスマともいえる武尊の試合は格闘技イベント「THE MATCH 2022」で実現した。天心のラブコールから7年、ついに実現した「世紀の一戦」を含め全16試合に56,399人のファンが東京ドームを埋めた。
3分間の3ラウンド。初回終了間際に天心 が強烈な左フックでダウンを奪い、優勢に試合を進めた。結果は5-0の判定勝ち。そのコールを聞き、武尊と泣きながら抱き合った。「やったぞー!」と絶叫し、右手を突き上げた。
「ずっと試合がしたかったけど、大人の事情とかで、なかなか実現しなかった。恋人みたいな感じで好きになったり、振られたり…。戦えて本当に幸せ。すげえうれしい。今まで最強と思えなかった。今日勝って初めて、自分が強いと思えた」と天心 は体を震わせた。
7歳下の天心に敗れた武尊は減量のハンデもあったが、最後までタフさを見せた。「この試合を実現できたこと。実現するために動いてくれた人たち。支えてくれた人たちと、対戦相手の天心選手に心から感謝している」最後までK-1のスピリッツも見せた。
天心のトレーディングカードは今のところ、制作されていない。これまでは試合会場で配布、販売されたポストカードぐらいだろうか。武尊はBBM「Infinity」にサインカードも封入されたことがある。
天心がボクシングに転向すれば、トレカでも人気のカテゴリーなだけに、国内外も含めて、天心のトレカが制作される可能性は高まる。さすがの「神童」も世界ランキングに入るまでには数年、かかるのでは、と言われている。だが、ファンもコレクターもそれまで、待てない。今回の「世紀の一戦」はカードセットにならないだろうか。団体の枠を超え、紆余曲折を経て実現した試合のように、誰もが、待っている。
トレカジャーナル編集部