欧州の各クラブでの移籍市場は、今が最盛期。日本代表の南野選手のASモナコ、吉田選手のシャルケ04など話題が多いが、最も衝撃的な話題は、まだ日本代表でのプレーはおろか、J1でのプレー経験もないJ2アルビレックス新潟のMF本間至恩選手の、ベルギーの強豪クラブ・ブルージュへの完全移籍だろう。しかも、移籍金は推定で日本円して1億6500万円と超破格。ベルギーリーグ3連覇中の名門が、本間選手を戦力として、いかに高く評価していたかが分かる。
本間選手は2000年8月9日生まれの21歳。地元であるアルビレックス新潟の下部組織出身で、2017年、アルビレックス新潟ユースに所属をしていた高校2年生当時に2種登録され、ルヴァンカップのヴィッセル神戸戦でクラブ史上最年少デビューを飾る。背番号10となった2020年以降の3シーズンで94試合に出場して17ゴールを記録するなど、完全に主力選手として活躍した。身長164センチと小柄ながらも相手の逆を取る切れ味鋭いドリブルと、その加速力は群を抜くとともに、左サイドからカットインして放たれる思い切りのいいシュートが何といっても最大の魅力だ。
若く才能溢れる本間選手に対しては、シーズンオフに移籍オファーの噂が絶えなかった。それでも自身を育ててくれたクラブをJ1に昇格させたいという想いから、一貫してアルビレックスに残り続けた。そして遂に7月、ベルギーの強豪クラブ・ブルージュへの移籍を決断した。J1への昇格争いを繰り広げている中での海外移籍に葛藤があった事や、これまでのクラブへの貢献度を知っているサポーターの多くは、本間選手を快く送り出すコメントをSNSに寄せていた。クラブを支えてきた本間選手にとっても、クラブを愛するサポーターにとっても、この上なく幸せな海外移籍だった事は言うまでもない。
これから海外でプレーして、さらに経験を積み、その技に磨きをかけたのならば、どれだけの成長曲線を描くのだろうかと注目される。次世代の日本代表の中心として活躍するのも時間の問題だろう。
それだけに、トレーディングカード界からも熱い視線が注がれている。
MINT-MALLでは直筆サインカードが6,000円で販売されていたが、すでに完売。
ヤフオクでは完全移籍の報道前と後では、約2倍の落札価格で取引が成立している。
アルビレックス新潟時代の貴重なアイテムとして保持しておきたいというコレクターも多い事は想像に難くない。
本間選手自身の活躍と共に、トレカとしての人気にも注目をしていきたい。
Chief(ライター)
国内サッカーを中心にトレカの世界を長年に渡って見守って来た元スポーツ雑誌編集者。横浜F・マリノスサポーター。ラグビー、相撲にも造詣が深い。