MLBのオールスターゲームが7月20日、42年ぶりにドジャースタジアムで開催された。2年連続2度目の出場となった大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)はア・リーグの「1番・DH」で出場し第1打席で、あのクレイトン・カーショウから初球をバットを折りながら中前へ落とし球宴初安打をマークした。
昨年は出場したホームランダービーに出場せず、投手としてマウンドに上がらなかったこともあり、昨年のような「大谷球宴」の大フィーバーはなかったが、バットで結果を残し、堂々とした振る舞いで改めて、MLBスーパースターのひとりであることをわからせてくれた。
グラウンド外でもスポットライトを浴びた。ロサンゼルス市内で行われた「レッドカーペットショー」。出場選手が家族と意を凝らした衣装でレッドカーペットを歩くというもの。 ボクが米国で球宴を取材した95年のテキサス、96年のフィラデルフィア、97年のコロラドではなかった、と思う。やがて、オープンカーでのパレードが行われるようになり、今の「レッドカーペットショー」になったはずだ。 大谷はモスグリーンのスーツに同色のニットネクタイ、白シャツを合わせた爽やかな装いで、水原一平通訳と登場。ある米スポーツサイトは今回の「レッドカーペットショー」でファッションランキング1位に選出した。
意外にも「Topps Now」でカード化はされなかったが、おそらく、このスーツ姿はTOPPS「Update」に封入されるはずだ。ここ数年、TOPPSでは「レッドカーペットショー」を、フォトバリエーションのパラレルでカードにしてきた。
オープンカーでのおしゃれな姿がカードになったのが、ダルビッシュ有である。テキサス・レンジャースに入団した2012年、前半戦で10勝をあげたダルビッシュはファン投票で球宴に選ばれた。残念ながら登板はなかったが、試合前のパレードで存在感を見せ、カードになったのである。
おしゃれすぎるダルビッシュは北海道日本ハム時代にもBBMがこんなカードを作っている。
七色の変化球を操るダルビッシュは、トレカでも七色の珍カードが多い選手でもある。この2012年のTOPPS「Series 2」のパラレルは練習の様子だが、よく見ると左で投げている。写真の裏焼きかと思ったが、胸のTEXASはそのまま。ダルビッシュは当時、左で投げることで体のバランスを調整する練習を取り入れていた、という。
今年のTOPPS「Series 1」で話題になったダルビッシュの打撃カードだが、レンジャーズ時代の2015年、シカゴ・カブス時代の2020年にもバットを手にしてカードになった。3球団で打撃カードになった投手は日本人メジャーでなくてもかなり珍しいはずだ。
MLBのオールスターゲームはボクにとってもまさに夢の球宴だった。数日間にわたり、球場そばの大きな会場で開催される「FanFest」というイベントは様々な限定グッズが販売され、もちろん、全米からディーラーが集まるカードショーもあった。「Fanfest」で長年、探していたカードをゲットして、球宴ではスーパースターのプレーを堪能する。これほど、楽しいことはない。
Cove(ライター)
国内外のコレクションアイテムを集めて30年余り。日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。元スポーツ紙ライター