ゴルフの全米女子アマチュア選手権決勝が8月14日、ワシントン州ユニバーシティープレース チェンバーズベイで行われ、17歳の馬場咲希がモネ・チャン(カナダ)を11アンド9の大差で下し優勝。日本人選手では85年の服部道子以来、37年ぶりの快挙を成し遂げた。
圧勝だった。マッチプレーの決勝は36ホールの長丁場。前半の18ホールを終え、7アップと序盤から22歳のチャンを圧倒した。後半に入っても勢いは衰えず。最後は27ホール目でチャンがバーディーパットを外した後、馬場は約5メートルをど真ん中から沈め、9ホールを残し、勝利を決めた。
何度もガッツポーズをした後、チャンと健闘を称え合い、ハグ。その後、両手で顔を覆い、嬉し涙を流した。「キャディーさんとの意見もあっていたし、自分のパターも良く入ってくれた。すごくうれしい」
世界ランクは45位。6月の全米女子オープンは予選を通過し、49位と健闘した。7月の全米女子ジュニア選手権はマッチプレーの2回戦で敗れたが、ストロークプレーの予選を首位で通過と着実に成長を見せ「ラウンド中はずっと勝つ、勝つと考えていて、いつも通りに自分のプレーをできるようにというのと、とにかく勝ちたいと思っていました」
37年ぶりの快挙達成には「服部道子さんの次に名前を残せて本当に嬉しいです」と続けた。世界アマチュアランクは45位。1メートル75の長身を活かし、得意の1番ウッドの飛距離は270ヤードという「世界基準」の期待の星だ。
馬場は来年にもプロテストを受験する、という。日本人選手として初めて、1985年に全米アマで優勝した服部は前年の94年に日本女子アマ選手権を高校生時代に制している。日米の違いはあるが、日本女子アマ選手権の優勝者の中には服部のほかにも大山志保、宮里藍、諸見里しのぶらもおり、最近では西郷真央、吉田優利、安田祐香、高橋彩華とプロで活躍する選手も多い。アマチュアのトップに立った馬場の今後が楽しみだ。
古江彩佳のスコットランドオープン優勝、渋野日向子の全英オープン3位とJLPGA勢の海外での活躍も目立ってきた。カード化の権利問題があるのなら、日本人女子ゴルファーの米国メーカー製のトレーディングカードは馬場が先陣を切るかもしれない。
トレカジャーナル編集部