アーロン・ジャッジ外野手(ニューヨーク・ヤンキース)が9月28日、ロジャーズセンターでの対トロント・ブルージェイズ戦で61号2ラン。ロジャー・マリス外野手(ヤンキース)が61年にマークしたア・リーグのシーズン最多本塁打記録に61年ぶりに並んだ。試合は7回表に飛び出したジャッジのメモリアル弾で勝ち越したヤンキースが8-3で勝利した。
3-3の同点で迎えた7回表1死一塁の第4打席。ファウルで粘り、フルカウントからの8球目。待ちに待った一発はジャッジらしい豪快弾となって、左翼席に突き刺さった。20日の対ピッツバーグ・パイレーツ戦で60号。そこから四球攻めにもあい、8試合ぶりの快音だった。敵地ながら、ヤンキースのユニホームを着たファンも多かったが、ブルージェイズのファンも総立ちで惜しみない拍手と歓声を送った。スタンドではその瞬間を待ち、チームに帯同してきたジャッジの母・パリスさんとマリスの息子、マリス・ジュニアさんが抱き合った。
「前の回に同点にされ、攻撃に勢いをつけようと思い、打席に入った。難しい球もあったけどファウルで逃れて、運よく甘い球が来たのでしっかりバットを振った。打った後はフェンスを越えてくれと思った」と試合後のインタビューに答えたジャッジ。「信じられないほど、光栄なことだ。しばらくしていろいろな思いがこみ上げてきた。何よりも、(先発の)コールに勝利をプレゼントできたし、とても特別な本塁打だった」と真面目な主砲らしく話した。
MLBのシーズン最多本塁打は、01年のバリー・ボンズ外野手(サンフランシスコ・ジャイアンツ)の73本。98年にマーク・マグワイア内野手(セントルイス・カージナルス)が70本、サミー・ソーサ外野手(シカゴ・カブス)が66本を放ち、狂騒曲となった。このトップ3に続き、マグワイアは99年に65本、ソーサは01年に64本、99年に63本を記録した。90年代から00年代初めは筋肉増強作用のあるステロイド使用がまん延しており、マリスの記録を重視する意見も多いが、ジャッジ自身は「MLBの本塁打記録はボンズの73本」と公言していることも面白い。
ジャッジの60号本塁打はTOPPS社のオンデマンドカード「Topps Now」でカードになり、21,490枚の申し込みがあった。また、ジャッジの本塁打とともにペナントレース終盤を盛り上げた、アルバート・プホルスの通算700号本塁打の「Topps Now」には28,898枚の申し込みがあった。受注生産の為、発行枚数に上限が無い「Topps Now」の中でも普段のメモリアルカードとは桁違いの発行枚数となったが、ア・リーグタイ記録の61号、はたまた、新記録の62号はさらに上をいく3万枚を超えるのか。どれだけの申し込み数があるのか、注目される。
トレカジャーナル編集部