MLBセントルイス・カージナルスのアルバート・プホルス内野手が9月11日、敵地での対ピッツバーグ・パイレーツ戦で歴代単独4位に浮上する通算697本塁打を記録した。
1点を追う9回表、無死二塁。プホルスが外角高めの約150キロの直球をたたいた打球は、中堅の右に飛び込んだ。この逆転18号2ランでチームは4-3で勝利した。「神の祝福だ。あまり考えないようにしているが、同時に自分が球史のどこに位置しているかは分かっている。気にしないってわけじゃないよ」大記録にも42歳のスラッガーは冷静に語った。
前日にアレックス・ロドリゲスさんに並ぶ696本塁打をマークしていたが、1日で追い抜いた。
MLBの通算本塁打ランキングは
1位 762本塁打 バリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
2位 755本塁打 ハンク・アーロン(アトランタ・ブレーブス)
3位 714本塁打 ベーブ・ルース(ニューヨーク・ヤンキース)
4位 697本塁打 アルバート・プホルス(セントルイス・カージナルス)
5位 696本塁打 アレックス・ロドリゲス(ニューヨーク・ヤンキース)
※カッコ内は最終所属チーム
となった。
メジャー22年目を迎えたプホルスは、11年ぶりに復帰したカージナルスと単年契約を結んでおり、春季キャンプの時点で今季が自身最後のシーズンだと発表した。7月以降は14本目の本塁打となったがシーズン終盤の活躍に「パーフェクトだ。楽しんでいるし、素晴らしい時間を過ごしている。以前、自分が11年間担ってきたのと比べると今の方が責任が軽いというのもある」と分析した。
周囲の喧騒ぶりと対照的にプホルス本人はいつも通り、何も変わらない。記念のホームランボールをキャッチしたファンの夫婦が試合後、プホルスに届けに来たが、「ただのボールだ。彼らが手にするにふさわしい。ボールパークから出たものなのだから。私たちはファンのためにプレーしている。彼らが返すにせよ、そのままキープするにせよ、自分としては構わない」と受け取りを辞退し、新しいサインボールもプレゼントした。
現役続行を願う声が高まる中「来年の今ごろはどうしているか」と聞かれ「たぶん(故郷)ドミニカ共和国のビーチに寝転がって、日光浴をしているかな。あまり先のことは考えられない。今はこの日に集中し、明日が来れば、明日に集中する」と笑った。レギュラーシーズン残り21試合で、通算700本塁打の大台到達を目指す。
夢のアーチと同様、プホルスはトレーディングカードも量産体制に。TOPPS社のオンデマンドカード「Topps Now」では、通算450人目の投手からの本塁打となった694号、A・ロッドと並んだ696号、そして、歴代単独4位となったこの日の697号と立て続けにカードを発行した。そのハイペースはまだまだ、続きそうだ。海を越えた日本でも、MINT新宿店でプホルスの「2001 Bowman」のルーキーカード(30,000円)が売れるなど今、ホットなMLBカードになっている。
トレカジャーナル編集部