日本初のジャージーカードが9月4日、「ヤフオク!」で落札された。このカードはBBMのプロレスカード「1997 Sparkling Fighters」に封入された、工藤めぐみの「コスチュームカード」。この年、BBMでは、日本では初めての企画としてメモラビリアカードを制作。「1997 Diamond Heroes」の松井秀喜外野手(巨人)のジャージーカードとともに、この工藤めぐみの「コスチュームカード」を発表したが、発売日の関係で工藤めぐみのカードの方が、日本で初めてお目見えするメモラビリアカードとなった。
150枚限定で制作されたこのカードだが、なかなか、パックから引き当てることは難しく、オークション検索サイト「オークファン」で調べても、過去10年間で5枚しか、出品・落札されておらず、今回の86,122円での落札が1年ぶりになる。
過去10年間の落札履歴は
2013年2月 79,000円
2014年7月 35,000円
2019年1月 70,000円
2020年3月 45,501円
2021年5月 70,000円
しかなく、まさに幻のカードと言ってもいい存在だ。ちなみに松井のジャージーカードも「ヤフオク!」では過去10年間で4枚しか落札履歴がなく、100,000円~170,000円で売買され、2019年9月を最後に出品されていないようだ。
BBM「スポーツカードマガジン」(SCM)では1997年9月号で、日本初のジャージーカードを大々的に特集。これによると、日本初のジャージーカード誕生には、UPPER DECK社(UD社)が世界を驚かせた初のジャージーカードが大きく影響を及ぼしているようだ。
UD社では96年にNHLカードでマリオ・ルミューらのユニホームをカットして挟み込む「Game Jersey」カードを封入。同年12月にはMLBカードで、ケン・グリフィーJr外野手、トニー・グウィン外野手、レイ・オルドネス内野手のジャージーカードを制作し話題を集めた。
「この奇抜なアイデアはまさにUD社らしい。米国のメモラビリアの世界はプロ(スポーツ)選手のファンサービスという長い伝統に培われ、多くの『遺産』が残されているが、やはり、一部のコレクターの手にしかない。せめて、その切れ端でもという願いが、スター選手が試合に使用したユニホームの切れ端をカードにはさみ込んだジャージーカードを生んだのだった」とSCMでは解説している。
また、SCMではジャージーカードの構造まで解説。日本初のジャージーカードを考案した大日本印刷での制作現場の撮影は「企業秘密」と断られ断念したものの、工藤めぐみのカードを例に「ジャージーカードの秘密は3枚重ねにあった」と分解図つきで説明している。
次回、工藤めぐみの幻の「コスチュームカード」が出品されるのはいつになるのだろうか?
Mickey(ライター)
トレカジャーナルのライター陣の中でも国際派として知られる。高校時代に米国留学、社会人になってからイタリアのローマに駐在経験も。米国滞在中にトレカにはまる。それでも、応援する球団は千葉ロッテマーリンズ。
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