アナハイム近郊のカードショップを紹介したら、次はカードショーでしょ、ということでカードショーを探してみました。米国では毎週末にカードショーが開催されている、といわれていますが、新型コロナの影響もあり、滞在期間中には発見できず。もしかしたら、都市伝説になっているのかもしれません。
それでも、ロサンゼルスを訪れた(もしくは住んでいる)コレクターなら絶対、足を運んだことがある「The Frank and Son Collectible Show」に3年ぶりに行ってきました。
1988年に始まったこのショーは、ロサンゼルスというよりアナハイム郊外の工業団地のような場所に並ぶひとつの、5,000平方メートルの倉庫でスタート。倉庫の中は固定されたブースに区切られ、出店者も来場者も年々増え続け、97年には6,500平方メートルの倉庫に移転しました。トレーディングカードはもちろん、フィギュアやアメコミ、最新作からレトロなものまでコレクションアイテムが勢ぞろい。映画のポスターやピンズ、ゲームソフトやスニーカーも売られています。出店者のブースは200を超えます。固定された同じブース、というか、店での売買なので、ショーというより、ショップの祭典という感じでしょうか?
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前回の19年9月に行った直後に、近隣のさらに大きな量販店跡地に移転しました。移転後は初めての訪問でしたが、ひとつひとつのブースも大きくなり、天井も高く、空調も効いていました。以前の蒸し暑く、圧迫感があり、暗いイメージが一新された感じです。倉庫内には軽食コーナーもでき、イベントコーナーも広くなっていました。
入場料、駐車場代の無料は相変わらずでしたが、以前は満車で、空車スペースを探すのが大変だった駐車場は、レストランを中心にしたショッピングモールの中に移転したため、余裕があり「一石二鳥」で便利になりました。
これまで、イベントとして、映画俳優、殿堂入りスポーツ選手もサイン会を実施。かつては、新人時代のマイク・トラウト外野手(ロサンゼルス・エンゼルス)やウォーカー・ビューラー投手(ロサンゼルス・ドジャース)もファンと交流したほか、NFLのジェリー・ライス、NBAのマジック・ジョンソン、ボクシングのマイク・タイソンもやってきたそうです。ボクが訪れた日は「アニメ」関連のグッズを販売する出展者がブースを並べていました。
ただし、残念ながら、年々、ほかのコレクションアイテムに押されて、ポケモンのブームもあり、スポーツトレカのブースは減っている印象です。8つの通路で仕切られた倉庫内で、その1列がスポーツとノンスポーツのトレカ、2列がゲームカード、その他がフィギュアなどではないでしょうか。
スポーツカードはボックス専門のブースや、シングルを並べているブース、1960年代の古いカードだけを取り扱うブースなどユニークで飽きません。野球だけでなく、バスケットボール、アメリカンフットボールも種類が多く、サッカーのカードも元気です。地元のエンゼルス、ドジャースのカードは種類も量も豊富で、選手ごとに整理されていました。トラウトの「BOWMAN」の鑑定済みルーキーカードが325ドルで売られており、値札は若干、高めの設定ですが、そこはカードショーらしく、店主との交渉で相場まで下げてくれそうです。
さらに、うれしいのは、収集用のサプライ専門のブースもあること。ここに来るたびに、サプライを爆買いしていましたが、円安と、今回のフライトで預け荷物にチャージがかかる航空会社を利用したため、重量のあるサプライは購入を見送りました。今回は、日本では見たことがない「ストレージマンション」というストレージボックスを重ねて保管するサプライを見つけました。
トレカは日々、市場価格だけでなく、進化しています。それは、カードショーも「The Frank and Son Collectible Show」も同じ。移転前は毎週水曜日と土曜日に開催されてましたが、現在は日曜日もプラスされ、週3日の開催に。それでも、毎週、来ても新しい発見がありそうです。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。