東京ヤクルトスワローズの10月3日、対横浜DeNAベイスターズ戦で今季56号本塁打をマークし、日本人選手としてシーズン最多本塁打記録を更新した。チームにとって今季最終戦の最終打席での1発もあり、村上は史上最年少の三冠王に輝いた。
村上は3回1死一、二塁で左前適時打を放ち、打率で大島(中日)を上回り、打撃3部門でトップに立った。そして、回ってきた7回の第4打席。入江からスワローズファンで埋まった右翼スタンドの上段へ、豪快にメモリアル弾を打ち込んだ。「打った感触と打球を見ながら、久しぶりのホームランだったので、この感じは気持ち良いなと思った」打った瞬間、一塁側ベンチに向かって見せた笑顔がそれまでの苦しみを物語っていた。
13日の対巨人戦で王貞治に並ぶ55号を記録したが、そこから60打席、不発に終わっていた。「手応えはばっちり。タイミングも合っていた。ホッとしましたし、長い1本だった。最終打席というより、打撃フォームを修正しながら、動画を見て感じたところを表現できたらと思っていた。こうして最後の打席で打てたのは自分でもビックリしてます。最後のご褒美と思って喜びたい」とまた、笑った。
「世界の王」の記録を塗り替えた。「今季こうして、偉大な方の記録を破ることができて、うれしいですけど、もっともっと王さんだったり野村さんだったり、色々な先輩がすごい偉業を成し遂げている。僕もこれから続けて行くことが大事なので、もっともっと長いシーズン残せるように頑張りたい」
2004年の松中信彦(福岡ダイエー)以来、18年ぶり、史上8人目の三冠王に輝いた。22歳での快挙達成は、1982年の落合博満(ロッテ)の28歳での戴冠を大きく更新する最年少トリプルクラウンとなった。「まだ実感はわかない。達成できたのはすごくうれしい」
村上の史上最年少三冠王、日本人シーズン最多本塁打で多くのトレーディングカードの制作が期待されるが、佐々木朗希投手(千葉ロッテ)の完全試合達成にちなんで作られた歴代完全試合達成者のカードセットのような「三冠王セット」の発売も期待される。
【NPB三冠王達成選手】
中島治康(巨人) 1938秋 打率.361 10本塁打 38打点
野村克也(南海) 1965 打率.320 42本塁打 110打点
王貞治(巨人) 1973 打率.355 51本塁打 114打点
王貞治(巨人) 1974 打率.332 49本塁打 107打点
落合博満(ロッテ)1982 打率.325 32本塁打 99打点
ブーマー・ウェルズ(阪急)1984 打率.355 37本塁打 130打点
ランディ・バース(阪神)1985 打率.350 54本塁打 134打点
落合博満(ロッテ)1985 打率.367 52本塁打 146打点
ランディ・バース(阪神)1986 打率.389 47本塁打 109打点
落合博満(ロッテ)1986 打率.360 50本塁打 116打点
松中信彦(ダイエー)2004 打率.358 44本塁打 120打点
村上宗隆(ヤクルト)2022 打率.318 56本塁打 134打点
そうそうたるメンバーがそろう「三冠王セット」はいかがだろうか?
トレカジャーナル編集部