MLBは10月24日、ワールドシリーズ進出チームが決まった。ア・リーグの優勝決定シリーズはヒューストン・アストロズがニューヨーク・ヤンキースを4連勝で、フィラデルフィア・フィリーズがサンディエゴ・パドレスを4勝1敗で下した。
この日、アストロズのワールドシリーズ進出に貢献したジェレミー・ペーニャ遊撃手が優勝決定シリーズMVPに選ばれたように、ルーキー大豊作となった2022年のシーズン。ルーキーカードも例年以上に高騰するカードが増えている。
MLB公式サイトでは独自の新人王投票を定期的に行っており、レギュラーシーズン終了の直前、最終的な結果を9月末に発表した。投票に参加した各記者は、それぞれのリーグから1~5位を選出。それを1位5ポイント、2位4ポイント、3位3ポイント、4位2ポイント、5位1ポイントで集計し、各リーグのランキングが決定された。各記者は「現時点での成績」に加え、「2022年シーズンの残りで何が起こるか」を予想したうえで投票することを求められた、という。
両リーグの投票結果は次の通り。順位の後のカッコ内は前回順位。
【ア・リーグ】
1位(1位)フリオ・ロドリゲス外野手(シアトル・マリナーズ)
2位(2位)アドリー・ラッチマン捕手(ボルチモア・オリオールズ)
3位(4位)スティーブ・クワン外野手(クリーブランド・ガーディアンズ)
4位(3位)ボビー・ウィット・ジュニア内野手(カンザスシティ・ロイヤルズ)
5位(−−−)ジェレミー・ペーニャ内野手(ヒューストン・アストロズ)
【ナ・リーグ】
1位(2位)マイケル・ハリスⅡ外野手(アトランタ・ブレーブス)
2位(1位)スペンサー・ストライダー投手(アトランタ・ブレーブス)
3位(3位)ブレンダン・ドノバン内・外野手(セントルイス・カージナルス)
4位(−−−)オニール・クルーズ内野手(ピッツバーグ・パイレーツ)
5位(5位)鈴木誠也外野手(シカゴ・カブス)
ア・リーグの1位となったロドリゲスは、132試合に出場し、打率.284、28本塁打、75打点、25盗塁。「20-20」の達成者は今季のMLBで今回、4位に入ったウィット・ジュニアも含め5人しかいない。師匠と仰ぐイチローがルーキーだった2001年以来、21年ぶりのマリナーズのプレーオフ進出にトップバッターとして引っ張った。2位のラッチマンは2019年のMLBドラフト全米1位で今年5月にメジャーデビュー。オリオールズの快進撃を攻守でリードした。3位のクワンは俊足巧打でデビューから116球空振りなしの記録(2000年以降)を作った。母方の祖父母が山形出身でもある。
ナ・リーグ1位のハリスⅡは今年5月に2Aから飛び級でメジャーデビュー。外野の定位置を奪い、114試合で打率.297、19本塁打、64打点をマークした。ストライダーは2年目の今季、先発ローテーションに定着し11勝5敗、防御率2.67と躍進。MAX162キロ、平均でも158キロの快速球で、球団新記録の1試合16奪三振も記録。ふたりはシーズン中にハリスⅡが8年総額7200万ドル、ストライダーが6年7500万ドルという異例の長期契約を結んだことでも話題になった。4位のクルーズは身長2メートル越えのMLB今季最速の154キロを計測した。
新人王争いは、ア・リーグはロドリゲスが最有力候補で、ナ・リーグはハリスⅡとストライダーの争いという見方が多い。新人王獲得なら、ルーキーカードの市場価格はさらに上がり、来年以降、発行される種類も増えるだろう。すでに終わった投票結果は、11月7日に各賞のファイナリスト3選手が、同14日に新人王の受賞者が発表される。
なお、大谷翔平投手(ロサンゼルス・アストロズ)の受賞の可能性があるア・ナ両リーグのサイ・ヤング賞は11月16日、MVPは同17日に発表される。
Mickey(ライター)
トレカジャーナルのライター陣の中でも国際派として知られる。高校時代に米国留学、社会人になってからイタリアのローマに駐在経験も。米国滞在中にトレカにはまる。それでも、応援する球団は千葉ロッテマーリンズ。