MLBニューヨーク・メッツが12月10日、千賀滉大投手と5年総額7500万ドル(約105億円)で契約合意した。千賀はNPB福岡ソフトバンクホークスから海外FA権を行使し、MLB球団と移籍交渉を進めていた。
ポストシーズンを狙える大都市を本拠とする球団を希望していた千賀にとって、最高の移籍先となった。11月に渡米し各球団と交渉を行ったが、初めて対面交渉が報じられたのがメッツだった。同球団のエプラーGMはヤンキース時代に田中将大投手、エンゼルス時代に大谷翔平投手の獲得に尽力した。
12月上旬に米サンディエゴで行われたウインターミーティングで代理人のジョエル・ウルフ氏は「6~7都市を訪れた。それぞれのチームのGMや監督、投手コーチとも会って話すことができたのは、彼にとって非常にいい経験になった」と話していた。
メッツは人気チームというだけでなく、20年オフに富豪のスティーブ・コーエン氏がオーナーに就任して以降、大型補強を敢行してきたことで注目されてきた。昨オフは剛腕のマックス・シャーザー投手を獲得し、今オフはエースのジェイコブ・デグロム投手がFAでテキサス・レンジャースに流出したが、今季のサイ・ヤング賞のジャスティン・バーランダー投手を獲得した。来季の総年俸はすでに3億4000万ドル(約476億円)を超え、メジャー史上最高額を更新することは確実だ。
今季は勝率で首位ブレーブスと並んだものの、ブ軍との直接対決の結果で2位に終わり、ポストシーズンはパドレスとのワイルドカードシリーズで敗退した。今オフはFA補強費だけで約4億6100万ドル(約645億円)を投じているが、8年ぶりの地区制覇、37年ぶりの世界一に向け、千賀にかかる期待は大きい。
メッツにはこれまで15人の日本人選手が所属した。MLB30球団では最多で、昨季は出場機会こそなかったが、加藤豪将内野手(北海道日本ハム)が5月に昇格した。現在のNPB監督では千葉ロッテ・吉井理人、北海道日本ハム・新庄剛志、埼玉西武・松井稼頭央、東北楽天・石井一久、東京ヤクルト・高津臣吾の5人が所属した。
早くも、千賀の決め球のひとつである「お化けフォーク」は「ゴースト・フォーク」と紹介されており、もしかするとニックネームも「ゴースト」になるかもしれない。そして、その圧巻の投球を見せれば、スター選手になるのは間違いない。
千賀のホークス時代のトレーディングカードは日本だけでなく、MLB挑戦の噂が広がるにつれ、米国でも注目を集めてきた。米ネットオークション「eBay」では、2017年のTOPPS社のオンデマンドカード「TOPPS NOW」の侍ジャパンユニホームのものが13,658円で落札されたのが最近では最高額となっているが、人気球団のメッツ移籍も決まり、さらに市場価格をアップさせそう。メッツのユニホームのルーキーカードにどんな写真が使われるのか、そして、どれだけの市場価格がつくか、今から楽しみだ。
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トレカジャーナル編集部