来季からMLBに挑戦する吉田正尚外野手(ボストン・レッドソックス)が2023年3月に開催される第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場することが12月30日、明らかになった。一部の報道では、この日までにレッドソックスと、吉田の代理人が協議の上、出場を容認する方向となった、という。
NPBオリックス・バファローズからポスティングシステムでレッドソックス入りした吉田だが、MLB移籍1年目に侍ジャパンへの招集が実現するのは極めて異例。「個人の夢は一番大事にしないといけない。その中で可能性があるのか。個人の夢を邪魔したり、壊したりするのは絶対に駄目」と日本代表の栗山英樹監督が話すように、まずは新天地に慣れることを優先するのが通常。
5年総額9000万ドル(約119億円)の超大型契約を結んだレッドソックスにとっても、開幕前のWBCで吉田に何かがあったら大変なことになる。WBCに出場したがために調整が遅れる可能性もある。だが、この大型契約は逆に考えれば、それだけ吉田がレッドソックスにとって特別な存在であることを認める証拠でもあり、吉田の出場希望を叶えることもそのひとつと言えるかもしれない。
吉田は12月16日のレッドソックスへの入団会見で、WBCについて「出場は前向きに考えているけど、まだ球団側の判断は何も聞いていない」と慎重だった。「逆算すると(WBCから)帰ってきて1、2週間近くしかない中で、初めてのシーズンがタフになるのは分かっている」と理由を明かした上で「自分自身が成長できると思いますし、ジャパンに対する思いもある」とも話していた。
来年2月20日から、米国フロリダ州フォートマイヤーズで始まるレッドソックスの野手組の春季キャンプに参加する吉田。2月17日から宮崎で始まる侍ジャパンの強化合宿には合流が遅れてしまうが、強化試合には間に合うように帰国する模様だ。
金メダルを獲得した2021年の東京五輪では侍ジャパンの3番を担った。2020、21年には首位打者、21、22年には最高出塁率のタイトルに輝いたスラッガーの参戦で、史上最強の侍ジャパン完成にさらに一歩近づいた。
吉田は2019年のWBSCプレミア12、前述の東京五輪で侍ジャパンに招集されている。東京五輪では打率.350をマークした。その2019、20年のカルビー「侍ジャパンチップス」に日本代表ユニホームのカードが封入され、金箔サインのパラレルのほか、通販限定の「スペシャルボックス」限定のインサートカードにも吉田のカードがあった。レッドソックスの吉田のカードも早く見たいが、まずは新しい侍ジャパンユニホームのカードが登場することになりそうだ。
トレカジャーナル編集部