アーロン・ジャッジ外野手(MLBニューヨーク・ヤンキース)の今季62号のホームランボールが,米大手オークションハウス「Goldin Auctions」で12月17日、150万ドル(約2億1000万円)で落札された。
ジャッジは10月4日、対テキサス・レンジャーズ戦で61年ぶりにロジャー・マリス外野手(ニューヨーク・ヤンキース)の記録を更新する62号を放った。
レンジャースの本拠地・グローブライフフィールドの左翼席で、このボールをキャッチした35歳の男性はすぐに、球場の多くの警備員に守られ、MLB機構の担当者の元へ案内された。そのボールが本物であることを証明するホログラムシールを貼られ、MLBのデータベースに情報が登録された。
男性はジャッジに渡すことなく、そのまま、持ち帰った。1か月以上、家族、弁護士と相談して、オークションに出品することを決断した。男性がオークション先として「Goldin Auctions」を選ぶと、「Goldin Auctions」では武装したセキュリティーチームを派遣して、金庫に保管されていたボールを回収して安全な場所に移動させた。
ボールが出品されたオークションは11月29日から12月17日まで開催。100万ドル(約1億4500万円)から入札がスタートし、締切日までに6件の入札があった。
「Goldin Auctions」では出品者がコーリー・ユーマンスさんであることを明かしている。
落札者については「中西部の著名な実業家でありコレクター」とされ、「ジョー」さん、のファーストネームしか分かっていない。
ユーマンスさんはオークション終了後に「ジョーさん、おめでとうございます」と声明文を発表。「ジョーさんは素晴らしい方で、MLBの歴史における特別な一品の所有者として申し分ない人物のように思える」と続けた。
ジャッジ本人はオークション前の取材に、自身に入札の意思はないとし、「彼(ユーマンスさん)がキャッチしたわけだから、ボールを扱う権利は彼にある。彼が自分とその家族にとって正しい決断をしていることを願う」と語っていた、という。
「Goldin Auctions」では今回、ジャッジが62号本塁打を放った試合で使われた三塁ベースも出品され9,240ドル(約130万円)で落札されたが、同じ試合でスタンドに飛び込んだファウルボールには入札がなかった。
ジャッジのホームランボールについては、昨年の「フィールド・オブ・ドリームス」ゲームでのボールが今年1月に2,760ドルで、5月のゲームでの初の満塁本塁打ボールが9月に6,000ドルで落札されている。
1998年にマーク・マグワイア(セントルイス・カージナルス)が記録したシーズン70号のホームランボールは、人気コミック「スポーン」の作者で、スポーツフィギュア販売でも知られるトッド・マクファーレン氏が300万ドル(約4憶2000万円)で購入。これがホームランボールの最高額とされている。
バリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が2001年にマグワイアの70発を上回るシーズン73本塁打を記録。マグワイアのステロイド使用も明らかになった今ではその価値は25万ドル(約3,500万円)程度まで暴落している、とニューヨーク・ポスト紙が報じた。同紙は「マグワイアの歴史的なホームランは高級ワインのように熟成しなかった」と例えている。
その意味では今回のジャッジの62号ボールについた落札額は現在の最高額と言えるかもしれない。
※落札額はバイヤーズプレミアム込み。
トレカジャーナル編集部