NFLの2022-23年シーズンの各賞が2月9日、発表され、QBパトリック・マホームズ(カンザスシティ・チーフス)が2度目の最優秀選手(MVP)に輝いた。パスで41TD、獲得距離5250ヤードはいずれもリーグ最多で、チーフスの2年ぶり3度目のAFC優勝に貢献した。
マホームズはAP通信が選出する今季のMVPに選出された。全50票中48票の1位票を獲得した。マホームズは授賞式には参加せず、ビデオでメッセージを送った。「チーフスの組織、クラーク・ハントCEO、ブレット・ビーチGM、アンディ・リードHC、スタッフ、そして何よりもチームメイトに対して。みなさんがいなければ、私は今日ここに立つことはなかっただろう」と感謝。 「究極のゴールであるスーパーボウルに向けて、今、毎日、私たちが一緒に行くために、持っているすべてのものを出し尽くして取り組んでいる。今週末のその夢に向かって進む」と決戦への思いを口にした。
マホームズの父親パット・マホームズはMLB42勝をマークし97、98年にはNPB横浜ベイスターズでもプレー。その俊足ぶりで権藤博監督(当時)が代走に起用した。マホームズ自身も大学では野球とアメフットの二刀流で、投手として160キロ近い直球を投げ、MLBドラフトではデトロイト・タイガースに指名された。父親譲りの強肩と俊足を生かし、その頭脳的なプレーから「天才QB」と呼ばれ、2017年のNFLでチーフスから1巡目指名(全体10位)を受けた。
2年目には先発の座に定着し大ブレイク。NFL史上2人目となる5,000ヤード、50TDパスを決めるなどしてシーズンMVPを獲得した。3年目にはチームを50年ぶりのスーパーボウル制覇に導き、24歳138日という史上最年少でのスーパーボウルMVPにも輝いた。
NFLのトレーディングカードといえば「史上最高のQB」トム・ブレイディ(タンパベイ・バッカニアーズ)が史上最高額の記録を保持しているが、先日、2度目の現役引退を表明。フィールド上でも、トレカでもマホームズがブレイディを超える日が近そうだ。
マホームズのルーキーカードは21年2月に米大手オークションハウス「Goldin Auctions」で861,000ドル(約1億1300万円)で落札。このカードはPANINI「2017 NATIONAL TREASURES」の5枚限定の直筆サイン入りパッチカードでベケットのグレーディング鑑定で9点。シリアルはファーストナンバーの1/5だった。その後、再逆転されたものの、それまでの最高値とされていたブレイディのルーキーカードについた555,988ドル(約5800万円)を大きく更新した。
なお、今回の各賞の発表では、最優秀監督に就任1季目でニューヨーク・ジャイアンツをプレーオフに導いたブライアン・デーボル監督を選出。最優秀攻撃選手にはのWRジャスティン・ジェファーソン(ミネソタ・バイキングズ)、最優秀守備選手にはDLニック・ボサ(サンフランシスコ・49ers)が選ばれた。
トレカジャーナル編集部