プロレス界のレジェンド、武藤敬司が2月21日、東京ドームで引退試合を開催。38年4か月間の現役生活に別れを告げた。
自ら、ラストマッチの相手に指名した内藤哲也(新日本プロレス)と11年ぶりに対戦した。1月末のグレート・ムタとしての引退試合で両太もも裏を肉離れ。引退の大きな理由は股関節や腰の痛み。この日もムーンサルトプレスを二度試みたものの、失敗。それでもドラゴンスクリューやシャイニング・ウィザードを放ち、足4の字固めで追い込んだ。「闘魂三銃士」の盟友、橋本真也さんのけさ斬りチョップ、ライバル三沢光晴さんのエメラルド・フロウジョンも見せた。それでも、最後は28分58秒に内藤にデスティーノを決められて敗れた。
ところがまだ、終わらなかった。リングサイドの解説席にいた「闘魂三銃士」の同期、蝶野正洋に向かい「まだ灰になってねぇ。やりたいことが一つある。蝶野! 俺と戦え!」と呼びかけ、引退試合のダブルヘッダー。私服姿の蝶野の前にSTFでギブアップ負けで散った。試合後には「今日で引退しますが、武藤敬司のプロレス人生、最高に幸せでした」とマイクで4万人のファンに呼び掛け、また、東京ドームが沸いた。
1984年に21歳で新日本プロレスに入門してから、全日本プロレス、プロレスリング・ノアを渡り歩き、メジャー3団体のシングル王座とタッグ王座を完全制覇した。グレート・ムタとして日米のマットでも輝き、昨年は新興団体のAEWに電撃参戦し、かつての宿敵スティングを窮地から救出。「プロレスLOVE」を決めセリフに「プロレスリング・マスター」と呼ばれた。
その存在の大きさはトレーディングカード界でも同じだった。プロレスカードはもちろん、オールスポーツカードにも度々、登場。昨年末のBBM「Crown」にも収録された。BBMのカードでは武藤敬司とグレート・ムタのコラボサインカードがあり、MINTモールでも販売された。海外のトレカでも、前述のAEWの乱入シーンがUPPER DECK社からカードになった。LEAFブランドではグレート・ムタのサインカードもある。
感動の1日となったこの日の東京ドームのスタンドは「引退記念セット」が作られてもおかしくないほどの盛り上がりぶりだった。
トレカジャーナル編集部