2月いっぱいで現役を引退する福永祐一騎手が2月19日、東京競馬場で国内最後の騎乗を終えた。ラストG1となったフェブラリーSはオーヴェルニュで12着に敗れたが、9RヒヤシンスSではペリエールで歴代4位のJRA通算2636勝目を挙げた。G1の通算勝利数は13勝だった。
国内最後の騎乗になったレース後にはセレモニーが開催された。「これまでを振り返るとこみ上げてきちゃうんでね。いつもはメインが終わって最終レースの返し馬に行くと、帰っている人が見えるんだけど、今日はほとんど残ってくれた。本当にうれしかった。特別な1日でした。忘れられません」27年間の騎手人生を支えてくれたファンの思いに熱い涙がこぼれた。
現役最後の勝利を決めたヒヤシンスSでは、レース中の大歓声がゴール直後には大きな拍手に変わった。引き揚げる際も拍手はやまず、1頭だけコースに残り、馬上から頭を下げた。
騎手として通算983勝の父・洋一さんも勝てなかったダービーで3勝。「騎手人生を大きく左右する出来事がダービーにあった。(98年の)キングヘイローでの緊張感があったからその後、緊張にのまれることはなかったし、(18年の)ワグネリアンで勝った時に初めて自分のことで感動する経験ができた。(20年の)コントレイルでは3冠も達成できた。騎手としてやり残したことがない」
3月からは調教師に転身する。だが、その前に、サウジアラビアでの25日の国際競走で、現役最後の騎乗が待っている。「最終騎乗を日本の競馬ファンの前で見せることができないのは心残りだけど、いただいた騎乗依頼にいい結果で応えるというところに全力を注いで、騎手をまっとうしたい」と濡れた瞳を輝かせた。
MINTモールに出品されていた福永のサインカードは20,000円で売れた。まもなく発売されるBBM「惜別」にはまだ、現役ということもあり収録されなかったが、来年版には収録される可能性もありそうだ。
トレカジャーナル編集部