NPB横浜DeNAベイスターズが3月14日、MLBロサンゼルス・ドジャースからFAとなっていたトレバー・バウアー投手の入団を発表した。出来高含め総額300万ドル(約4億円)の1年契約で合意。背番号は「96」に決まった。早ければ今月下旬にも来日する。
バウアーはMLBドラフトでアリゾナ・ダイヤモンドバックスに1巡目(全体3位)で指名されプロ入り。MLBで2ケタ勝利を5度達成し、通算83勝69敗をマークした超大物メジャーリーガー。シンシナティ・レッズ時代の20年にはサイ・ヤング賞を獲得した。クリーブランド・インディアンスを経て、21年にドジャースと契約した。
「今シーズン、ベイスターズでプレーができることになり、非常に興奮しています。日本プロ野球界でプレーをすることは私の夢であり、その夢をファンの皆さんの前でお見せすることができる球団として、ベイスターズ以上のチームはないと思っています。素晴らしいチームの一員となり、一緒に優勝を目指すことができる機会をいただいて、とてもうれしく感じています。選手、そしてファンの皆さんに会いたい気持ちで既に待ち遠しいです。横浜の街で会えることを楽しみにしています」とコメントした。
21年オフに来日した際はベイスターズのファーム施設を見学し、気に入った、という。「ひと言ですごいピッチャーですよ。メジャーでの実績もすごいですし。まだ若いですしね。現役バリバリのメジャーリーガーが横浜に来るということで、興奮しています」と三浦ム大輔監督も電撃入団に驚きを隠せない様子だった。
「鬼才」と呼ばれる。Youtube、Twitterで遠慮なく意見を発信。「本職」の野球では独特の理論とトレーニング法で一目置かれている。右目をつむり投げる投法も話題で「自分を不利な状況に追い込んで、それを脱出する方法を探していくことを繰り返すことで心身ともにタフになっていく」と説明する。一風変わった自己改革法だが、トレカにとってはシャッターチャンスの投法であることは間違いない。降板指令に怒り、マウンドからバックスクリーンへ首脳陣に渡すボールを投げ込んだこともある。ドローンでケガをした、などエピソードに欠かせない。
バウアーは21年6月に自身に纏わるトラブルにより制限リスト入り。当初は324試合の出場停止処分を受けたが、昨年12月に異議申し立てし、処分期間が194試合に短縮された。今年1月にメジャー40人枠から外れ、ウエーバーにかけられたものの獲得希望の球団はなく、自由契約となった。出場停止処分中だった22年は登板はなかったが、自主トレを継続。コンディション面での問題もない、と本人も自信を見せている。
今季のNPBには例年になく、米国での実績のある助っ人が揃ったが、その中でもナンバーワンネームバリューと言えそうだ。トレカの発行枚数も来日外国人の中ではトップクラスかもしれない。マウンドでの投球以上に、日本でどんな「鬼才」ぶりを発揮するのか、どんなトレカが作られるのか、目が離せなくなった。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。