「第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」の決勝が3月21日、アメリカ・フロリダ州の「ローンデポ・パーク」で行われ、日本代表侍ジャパンは米国代表を3-2で下し、3大会ぶり3回目の優勝を飾った。MVPには投打に活躍した大谷翔平投手が選ばれた。
先発の今永昇太投手(横浜DeNA)が2回にこの大会で絶好調のトレイ・ターナー内野手(フィリーズ)に先制弾を浴びたものの、その裏には村上宗隆内野手(東京ヤクルト)が右中間へ文句なしの同点ソロ。「最高です。1点を取られたあとで、すぐに追いつきたい展開だったので、ひと振りで追いつけてよかった。完璧だった」と連日の劇打に胸を張った。
さらに、岡本和真内野手(巨人)と源田内野手(埼玉西武)の連打と中村悠平捕手(東京ヤクルト)の四球で満塁とし、ラーズ・ヌートバー外野手(カージナルス)の二塁ゴロの間に岡本が勝ち越しのホームを踏んだ。
岡本は4回に自身の大会2号となるアーチを左翼席へ。この一発が最後に効いた。
最後の大一番に投手陣は総動員。8回には6番手でダルビッシュ有投手(パドレス)が準々決勝に続き、リリーフ登板。第2回大会では胴上げ投手になった侍ジャパン投手陣の大黒柱は昨季、46アーチでナ・リーグの本塁打王を獲得した、カイル・シュワーバー外野手(フィリーズ)に一発を許したが、リードを守った。
最高のクライマックスは9回2死にやってきた。マウンドには大谷、打席には米国代表で、大谷のチームメートでもあるマイク・トラウト外野手(エンゼルス)。フルカウントから、必殺のスライダーでMLB現役最強打者を空振り三振に仕留めると、大谷はグラブと帽子を投げ、雄たけび。侍たちがマウンドに集まり、歓喜の輪ができた。
大会のMVPには「世界の二刀流」大谷が選ばれた。投手として3試合で2勝1セーブ、防御率1.86。打者として打率.435、1本塁打、8打点を残し、ベストナインにあたる「オールWBCチーム」に投手とDHで選出。「オールWBCチーム」には打率.490、2本塁打、大会新記録の13打点をマークした吉田正尚外野手(レッドソックス)も外野手部門で選ばれた。
TOPPS社のオンデマンドカード「Topps Now」では早速、決勝戦の激闘ぶりをカード化。優勝した侍ジャパンのチームセット、「オールWBCチーム」のセットも発売。大谷はトラウトの対決シーンと、MVPのトロフィーを手にした表彰シーン、さらにふたつのセットにカードが収録され、カードでもMVP級の輝きを放った。
Cove(ライター)
元スポーツ紙ライター。国内外のコレクションアイテムを収集して30年あまり。バブルヘッドのコレクションが自慢で日本唯一のバブルヘッドライター(自称)。トレカはレギュラカードのコンプリと日本人メジャーが中心。